小倉将信こども政策担当相は8月26日、教育新聞など報道各社の共同インタビューに応じ、「子供政策決定プロセス自体も子供を中心に変えていけるような大胆なチャレンジができないかと思っている」と、子供の意見を政策に反映させる仕組み作りを進める姿勢を示した。また、子供の健やかな成長のために、教育分野を所管する文科省とこども家庭庁が連携を強化することの重要性を強調した。
小倉担当相はこれまでの小中学生との関わりの中で、「将来最も今の政策の影響を受ける世代から、自分たちの声を上げきれていない、もっと意見を聞いてもらいたいという指摘があった」と明らかにした上で、「子供の意見を聞くというのは、その政策の当事者である子供に対して、より実態を正確に把握して意味のある政策を行うということにもつながる」との認識を示した。
さらにそれは「子供自身が参画をして政策を決定しているというような自己有用感にもつながるのではないか」と述べ、「子供真ん中というのは、対象である子供を真ん中にするだけではなく、政策決定プロセス自体も子供を中心に変えていけるような大胆なチャレンジができないかと思っている。現状は必ずしも子供や若者、子育て世代の意見を十分にくみ取れているとは思えないので、そこからしっかりやっていきたい」と子供の意見の政策への反映に意欲を示した。
また、そのための方策として、有識者による検討委員会で自治体や海外での取り組み事例を参考にしたり、子供たちへの対面による意見聴取、アンケートを行ったりするほか、SNSの活用などを挙げた。
こども家庭庁と教育分野を所管する文科省との連携については、「どこで育っても、小学校に上がる前に教育や育ちが保障されるなどの体制を、文科省と一緒に作っていかなければならない。さらにいじめの防止対策、不登校の子供への支援、居場所作りといったことに関しては、まさに子供の成長に関わるので文科省と緊密に連携をしていきたい」とした。
また、岸田文雄首相が明言している子供関係予算の将来的な倍増については、「使い道が真に困っている人のためになるのか、子供のためになるのかというような国民の理解があってこその財源の議論だと思っている」と述べた。
2023年度予算の要求方針については、「これまで各府省が取り組んできた結婚、子育て支援、困難な状況にある子供や家庭への支援といった既存の政策のさらなる充実を図っていく。さらにこれまで省庁の縦割の中で発生してきた隙間事案についてきめ細かく対応していくため、小学校就学前の子供たちの育ちの保障やさまざまな居場所作り、地域におけるいじめ防止対策体制の構築、こういったものにも予算をしっかり使っていければ」と強調。
「重要なのは、ただ予算を作るだけではなく、その予算が困っている人、サポートを必要としている方々の元にしっかりと行き渡るということだ。静かなる有事である少子化の対策に向けて、これまでと大きく変わったというような印象を少しでも持ってもらえたら」と述べた。