養護・栄養教諭の職務の明確化など提言 協力者会議で整理案

養護・栄養教諭の職務の明確化など提言 協力者会議で整理案
オンラインで行われた第4回会合
【協賛企画】
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 文科省の「養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議」は8月29日、第4回会合をオンラインで開き、議論の整理案を検討した。整理案では、今後の方向性として①求められる役割(職務の範囲)の明確化②「資質の向上に関する指標」を基軸とした養成と採用・研修の接続、連携③新たな教員研修制度下における実効性のある研修機会の確保④職務遂行のインフラとしてのICTの積極的な活用――を挙げた。

 ①求められる役割(職務の範囲)の明確化では、「養護教諭や栄養教諭が本来実施すべき業務とそれ以外の業務とが整理されないまま、膨大な事務を個業(孤業)により処理せざるを得ない状況にあることが想定される」として、2020年7月に示され、教諭や事務職員の職務内容を定めた「学校管理規則の参考例」や「標準的な職務の例及びその遂行に関する要綱の参考例」に倣い、職務の範囲を明確化するとともに、その遂行に必要な資質能力の方向性を明らかにする必要性を明記した。

 また②「資質の向上に関する指標」を基軸とした養成と採用・研修の接続、連携については、各教育委員会で策定する同指標が「地域の実情に応じた養護教諭や栄養教諭の職務の専門性が必ずしも適切に反映されたものとなっていないものも見受けられる」として、養護教諭や栄養教諭の養成に関わる大学との連携などを求めた。

 さらに、③新たな教員研修制度下における実効性のある研修機会の確保では、教員免許更新制の廃止に伴う新たな研修制度への移行を踏まえ、「校長などの管理職のマネジメントにより、校内の全ての教師が一体となった学び合いの場とすることが不可欠」と指摘したほか、④職務遂行のインフラとしてのICTの積極的な活用については「他の教諭等と比してICT環境の整備が遅れている現状があるのであれば、教育委員会等の責任において早急に整備を進めるべき」などと指摘した。

 同協力者会議は委員の意見などを踏まえ、坂越正樹座長(広島文化学園大学・短期大学長)のもとで今回の整理案を取りまとめる。また今後、各地の好事例を収集するなど議論を継続し、今年末をめどに最終的な取りまとめを行う。

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