学校運営などに地域が参画する「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」を導入している公立学校は、今年5月1日時点で前年度より3365校増加し、全体の42.9%に当たる1万5221校となったことが9月14日、文科省の調査で明らかになった。特に、小学校・中学校・義務教育学校の導入校は1万3519校と約半数の学校で導入されている。また、地域学校協働本部を整備している公立小中学校と義務教育学校は前年度より1097校増えて2万568校となり、全体の約6割に上った。
コミュニティ・スクールを導入している学校を校種別に見ると▽幼稚園 325園(前年度比49園増)▽小学校 9121校(同2070校増)▽中学校 4287校(同948校増)▽義務教育学校 111校(同16校増)▽中等教育学校 7校(同3校増)▽高校 975校(同170校増)▽特別支援学校 395校(同109校増)。
コミュニティ・スクールと地域学校協働本部の両方を整備している学校は1万1180校(31.5%)となり、前年度より2652校増加した。
コミュニティ・スクールは地域や保護者が学校運営の基本方針を承認したり、教職員の任用で校長に意見を述べたりできる制度。地域学校協働本部は地域住民・団体がネットワークを作り、学校支援や放課後教室、地域課題解決などの活動を行う仕組みで、コミュニティ・スクールでの協議内容を活動に反映するため、両方の一体的な整備が進められている。
コミュニティ・スクールの導入が教育委員会の努力義務となった2017年の法改正時におけるコミュニティ・スクールの導入数(3600校)と、今年度の導入数を比較すると約4.2倍の増加となっており、各教育委員会において主体的・計画的に導入に向けた取り組みが進められている。
文科省の担当課は「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取り組みに対する財政支援と共に、37人いるCSマイスター(コミュニティ・スクールに関する助言などを行うアドバイザー)を、設置が進んでいない自治体にプッシュ型で派遣している」と話し、さらなる導入に向けて支援を進めている。
今回の調査は、今年5月1日時点でのコミュニティ・スクールの導入状況、地域学校協働本部の整備状況などを、都道府県・市区町村教委を対象に聴取した。