来年1月に行われる大学入学共通テストについて、文科省は9月20日、直近の新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、全国47都道府県に追試験の会場を設置することを、各都道府県・政令市教委などに通知した。全都道府県に試験場を設けるのは、2021年の本試験第2日程(第1日程の追試験)、22年の追試験に次いで3回目で、新型コロナウイルスによる体調不良時などに追試験を受けやすくする。
来年の共通テストは本試験が1月14日・15日、追試験が28日・29日に行われる。追試験の対象者は▽疾病(インフルエンザ・ノロウイルス・新型コロナウイルス・風邪などを含む)・負傷により試験を受験できない人▽試験場に向かう途中の事故により試験を受験できない人▽その他やむを得ない事由(両親等の危篤・死亡、自宅の火災など)により試験を受験できない人。
新型コロナウイルス関連では、大学入試センターが今月13日に感染対策を公表した。当日、受験者から体調不良の申し出があり、所定の健康状態チェックリストに照らして「高熱の症状がある」などの項目に該当した場合、追試験の受験申請をすることとなっている。
新型コロナウイルスの感染拡大以前は、追試験の会場は全国2カ所のみだったが、感染拡大に見舞われた21年の共通テストからは、新型コロナウイルスにより受験できなかった場合に備え、追試験となる試験で全都道府県に会場を設ける特例が続いている。
文科省が今年6月に発出した、22年度大学入学者選抜実施要項に関する通知では、追試験の試験場の数の規模について「新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、秋頃をめどに決定し、周知する予定」としていた。