広島県と広島市の教育委員会が発注した学校用コンピューター機器の入札で談合があったとして、公正取引委員会は10月6日、NTT西日本や大塚商会など11社に対し、独占禁止法の規定に基づく排除措置命令を出し、うち6社に合計5682万円の課徴金の支払いを命じた。公取委によると、児童生徒が使用するパソコンに関する談合の事案は全国初。
公取委は、広島市で11社が2016年5月以降、広島県ではそのうち6社が遅くとも17年7月以降に、学校用コンピューター機器の入札で、受注価格の低落防止を図るために受注予定者を決めるなどの調整を行い、「競争を実質的に制限していた」と認定した。公取委は20年に各社への立ち入り検査を行い、調査を進めていた。
今回、排除措置命令が出されたのは、広島県では▽北辰映電▽新星工業社▽ハイエレコン▽大塚商会▽ソルコム▽NTT西日本――の6社。広島市ではその6社に加え▽立芝▽中外テクノス▽呉電子計算センター▽理研産業▽Dynabook――の5社が対象となった。課徴金額が最も大きかったのは北辰映電で、広島県案件で2868万円、広島市案件で174万円の計3042万円だった。
NTT西日本は同日、「20年10月の本件判明以降、ただちに違法行為を中止し、また公取委の調査に全面的に協力するとともに、再発防止策を策定、実行している」とコメント。大塚商会は「独占禁止法の順守についての社内ルールの改定および従業員に対する周知徹底、営業担当者らに対する定期的な研修および定期的な監査」といった再発防止策を講じると発表した。広島県教委は「学校教育に影響を生じさせないように対処していきたい」と話している。