環境問題に103カ国の子どもが意見 国連子どもの権利委

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 日本ユニセフ協会は10月11日、国連の子どもの権利委員会が募集していた気候変動や環境問題に対して、日本を含む103カ国から7416人の子どもの声が寄せられたと公表した。子どもたちの意見は、子どもの権利委員会が現在進めている気候変動・環境問題に関する各国政府に向けた文書「一般的意見26」の策定に活用される。

気候変動や環境問題に対する世界中の子どもの声を集めた報告書(日本ユニセフ協会提供)
気候変動や環境問題に対する世界中の子どもの声を集めた報告書(日本ユニセフ協会提供)

 子どもの権利委員会では、子どもの権利と環境問題をテーマに、各国に取り組みの強化を求める「一般的意見26」の策定に向けて、3月31日~6月30日に世界中の子どもたちから気候変動や環境問題に関する意見を募っていた。日本では日本ユニセフ協会が、ヤフーの運営する子ども向けポータルサイト「Yahoo!きっず」の協力を得て、5月5日~6月26日に「子どもパブコメ2022」として実施。1504件の投稿があり、英訳されて子どもの権利委員会に届けられた。世界各国から集まった意見は、さまざまな地域の多様な背景や経験を持つ10~17歳の13人の子どもで構成される「子ども諮問チーム」を中心にして取りまとめが行われた。

 子どもたちからの意見では、35%の子どもたちが気候変動の影響で自分自身の生活や住んでいる地域は変わったと回答。環境破壊についても同様に42%が変わったと答えており、世界中の子どもたちの半数以上が、環境問題や気候変動に不安を感じていることが分かった。

 また、「環境破壊や気候変動によって子どもの権利が影響を受けた場合に、大人の支援を受けることができると思う」と答えた子どもは41%にとどまった。

 子どもの権利委員会では子どもたちからのメッセージを▽清潔で健康的な環境で暮らしたい▽気候変動や環境問題の対策について子どもの意見を聞いてほしい▽政府、企業、大人たちには、大胆で緊急の行動を取ってほしい▽世界の国々に協力してほしい▽意識啓発と教育を充実させてほしい▽気候変動や環境問題の解決策についてのアイデアを共有したい――の6点に整理。

 具体的な声の中には「もっと対策をして、リスクがある子どもたちを救ってほしい。僕たちの意見をもっと聞いてほしい」(11歳男子)や「正直変えたいと思っても、どこから始めれば良いのか分からない。そして、今の状況がどうなのか大人たちが正直に伝えていないと思う」(15歳女子)といった、日本の子どもたちからのものも紹介されている。

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