コロナ禍の影響で2021年度の修学旅行を中止した中学校・高校は、前年度に比べて大幅に減少したことが11月1日、日本修学旅行協会がまとめた全国修学旅行調査の速報版で明らかになった。コロナが今後の修学旅行・教育旅行に影響を及ぼすことがあると答えたのは、中学校で6割超、高校で5割超あった。
調査は全国の国公私立の中学校3046校、高校3078校を抽出して、修学旅行に関するアンケートを依頼。中学校895校、高校933校が回答した。
修学旅行についてコロナの影響による当初の計画からの中止・変更があったかを尋ねたところ、中学校では、計画通り実施と答えたのは6.6%で、20年度に行った前回調査と比べて5.2ポイント増加。逆に中止と答えたのは15.8%で、前回調査より35.7ポイントも減少した。また、変更(当年度内へ)は71.0%、変更(次年度へ)は5.9%だった。地域別では、北海道では29.3%が計画通り実施できた一方で、四国や沖縄では計画通り実施できた学校はなく、中止もしくは変更となっていた。
高校では、計画通り実施したのは9.1%(前回調査比7.0ポイント増)、中止は27.1%(同34.3ポイント増)で、変更(当年度内へ)は42.3%、変更(次年度へ)は17.3%だった。地域別でみると、中国・四国は予定通り実施した学校はなく、沖縄では回答した全ての学校が中止していた。
今回の調査で新たに「コロナが今後の修学旅行・教育旅行に影響を及ぼすか」を尋ねたところ、ない(コロナ以前に戻る)と回答したのは中学校で14.6%、高校で16.1%、「ある」と回答したのは中学校で63.9%、高校で53.1%だった。
コロナによる今後の影響・変化について複数回答で尋ねたところ、中高ともに最も多かったのはバスの台数増加や部屋数、保健室の増加、保険の加入などといった「感染症対策を取り入れる」だった。