部活動サミットが再始動へクラファン 為末大さんら講演

部活動サミットが再始動へクラファン 為末大さんら講演
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 あの「部活動サミット」が再始動!――。ラグビー部が短時間で効果的な練習をしながら、全国大会出場といった成果を上げていることなどで知られる静岡聖光学院高校で先進的な部活動を行う中高生らが集まり、部活動の課題を話し合う「部活動サミット」が11月21~22日に開かれる。3年ぶり3回目となった今回は、男子400メートルハードルの日本記録保持者で、オリンピアンでもある為末大さんや、2006年に広島県立広島観音高校サッカー部を全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会初出場・初優勝に導いた畑喜美夫さんが講演。現在、同高の生徒らによるクラウドファンディングが行われている。

静岡聖光学院高校の生徒らによる「部活動サミット」(写真は第2回の様子)
静岡聖光学院高校の生徒らによる「部活動サミット」(写真は第2回の様子)

 「部活動サミット」は18年にラグビー部の生徒が中心となってスタート。短時間で効果の高い練習に取り組んでいる部活動の指導者や生徒を招待しての講演とディスカッションは、活動時間の上限を決めた部活動ガイドラインの策定の動きや、当事者である中高生が主体的に発信した活動として全国から注目を集めた。

 第2回が行われた19年以来の開催となる第3回では、部活動をはじめとするスポーツの在り方についてさまざまな問題提起を行っている為末さんや、目標設定や練習メニュー、チーム運営などを選手に任せ、指導者は選手の可能性を引き出すファシリテーター役に撤する「ボトムアップ理論」で知られる畑さんがゲスト講演。短い時間で効率の良い練習を実践したり、部員が主体のチーム運営を重視したりする、各地の高校などの部活動で活躍している生徒を招待する。

 サミットを企画した同高2年生でラグビー部に所属する藤田武蔵さんは「『日本一魅力的なチームになる』がラグビー部の一番の目標で、結果を残すだけが部活動ではないと思っている。参加してくれる全国の中高生と、どう意識したら主体的な取り組みができるか議論していきたい」と意気込む。

 藤田さんがサミットを開きたいと考えるようになったのは、試合中の大けがで選手生命が危うくなる中、どうしたらチームに貢献できるかと考え、今年の8月、ニュージーランドのセント・トーマス高校に約3週間の留学をしたのがきっかけ。同高のラグビー部では、競技力に合わせて選手は1軍、2軍、3軍に分かれていたが、練習時間は3軍では週1日1時間~1時間半、2軍と1軍は週2日各1時間~1時間半程度で、日曜日に行われる他校との試合では、3軍は3軍同士、2軍は2軍同士といった形でトーナメントが行われ、全員が学校の代表として出場できるなど、部活動の文化の違いに驚いたという。

 「日本は中学校や高校の部活動の時間が長過ぎて、それ以外の時間が確保できていない。これからの日本の課題として、そういったことも考えていかなければ」と藤田さん。「クラウドファンディングで資金が集まれば、招待できる学校も増えるし、社会に与える影響も大きくなる」と話す。

 クライドファンディングは社会問題の解決に特化したクラウドファンディングサイト「GoodMorning」のサイトで、11月20日まで募集している。

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