18歳前後の若い世代の18.7%で、ネットの掲示板やSNSに誹謗(ひぼう)中傷を書き込んだり、発信したりしたことがあることが、11月1日、日本財団が実施した「18歳意識調査」で明らかとなった。他人が発信した誹謗中傷の書き込みをシェアやリツイートした経験のある人も14.3%を占めた。誹謗中傷が社会問題化していることを受けて、刑法が改正されて侮辱罪が厳罰化されたことについては、80.2%が賛成と答えた。
調査は9月22~27日に、全国の17~19歳の男女計1000人にインターネットで実施。6月の通常国会で成立した改正刑法で、侮辱罪が厳罰化されたことに関して、インターネット上の誹謗中傷に関する認識や考えを聞いた。
まず、侮辱罪の厳罰化に対しては、賛成が51.1%、どちらかといえば賛成が29.1%だった。その理由を複数選択で尋ねると「誹謗中傷により傷つく人や命を絶つ人が少なくなる」や「厳罰化することで、誹謗中傷の重大さや責任に気付ける」「悪質な書き込みの抑制が期待できる」などが多く挙がった。
また、70.6%の人が、ネット上の掲示板やSNSなどで、他人の人格や性格、容姿を否定するなどの誹謗中傷に当たると思われる事項が書き込まれているのを、目にしたことがあると回答した。
自分自身が、誹謗中傷にあたると思われる事項をネット上の掲示板やSNSに書き込んだり、発信したりした経験があるかを尋ねたところ、「経験があり、その内容についても具体的に覚えている」と答えたのは8.4%、「経験があるが、具体的な内容は覚えていない」と答えたのは10.3%あった。同様に、他人が発信した誹謗中傷にあたると思われる書き込みや投稿を、ネット上の掲示板やSNSなどにシェア・リツイートした経験については、「経験があり、その内容についても具体的に覚えている」が6.0%、「経験があるが、具体的な内容は覚えていない」が8.3%あった。
学校などでネットリテラシーを学んだ経験については、半数以上の54.0%の人が「学んだことがあり、役立っている」と答えていたものの、29.6%の人は「学んだことがあるが、特に役立っていない」と答えた=グラフ参照。