全国26の高校のSDGs商品を集めたマルシェを開催 倉敷鷲羽高校

全国26の高校のSDGs商品を集めたマルシェを開催 倉敷鷲羽高校
【協賛企画】
広 告

 全国の高校生が作ったSDGsの商品を集めた「SDGsいちななまるしぇ」がこのほど、岡山駅地下通路広場で開催された。同イベントは、岡山県立倉敷鷲羽高校(三村直子校長、生徒435人)のビジネス科が日本旅行の協力を得て、全国26の高校から43商品を仕入れ、販売。午前中から完売する商品が出るなど、大盛況だった。活動資金をクラウドファンディングで募ったり、ラジオなどで広報活動をしたりするなど、さまざまな活動にチャレンジしてきた生徒らは「一つのイベントに向かって、みんなで話し合って成し遂げていくのは、今までにない経験だった」と充実の表情を見せた。

全国の高校が作った商品を説明する倉敷鷲羽高校の生徒たち(倉敷鷲羽高校提供)
全国の高校が作った商品を説明する倉敷鷲羽高校の生徒たち(倉敷鷲羽高校提供)

 同校ビジネス科は、誰もがSDGsに貢献できるイベントを開催したいと考え、今年2月に「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」の次世代育成プログラム「SB Student Ambassador」に参加。地域と連携した商品開発がSDGsの課題解決につながると考え、全国に多数ある高校生が開発した同様の商品を集め、多くの人に購入してもらえる「SDGsいちななまるしぇ」を考え付いた。

 開催に向けて、同校ビジネス科の3年生が全国の高校生が開発した商品を調べ、商品を仕入れる学校を選別。各校と交渉し、最終的には全国26校、43商品を仕入れることとなった。7月からは主にオンラインで各校の生徒と打ち合わせを開始。商品開発の経緯やそこに込めた思いなどを聞き、販売時のアピールポイントや商品ポップの内容などを考えてきた。

 同校の生徒は「多くの学校とオンラインミーティングをしたが、どの学校の生徒からも、自分たちで思いを込めて作ったことがひしひしと伝わってきた。それを商品ポップやセールストークに落とし込み、お客さんに思いを届けようと準備してきた」と振り返る。

 また、各校との打ち合わせでは、商品を開発するにあたって、規格外のものを使うだけでなく、自分たちで釣った魚を使った商品を作ったり、9つのSDGsを達成できる商品をつくったりしている学校もあると知った。同校の生徒は「SDGsへの取り組みに新たな発見もたくさんあった」と話す。

 さらに、開催に向けて仕入れや会場設営費などを募るクラウドファンディングを8月に行い、最終的には支援数185件、計80万4000円の支援を受けた。実行委員会のメンバーが中心となって、ラジオやインターネット番組、新聞などで積極的に広報活動も行い、生徒からは「当日もラジオの情報を聞いて足を運んでくれたお客さんがいて感動した」との声が上がっていた。また、ディスプレーでもなるべくプラスチックのものは使わないなど、イベント運営においてもSDGsを意識した。

午前中から完売商品が出るなど、大盛況だった(倉敷鷲羽高校提供)
午前中から完売商品が出るなど、大盛況だった(倉敷鷲羽高校提供)

 同校の生徒はマルシェを終え、「一つのイベントに向かって、みんなで話し合って成し遂げていくのは、今までにない経験だった。不安もあったが、大繁盛したのはうれしかったし、これまでの販売実習も生かせたと思う」と感想を語った。

 このプロジェクトに伴走してきた同校の大池淳一教諭は「当日の生徒たちの表情は、想像以上だった」と笑顔を見せる。当日は来場客から「どこのブースに行っても、生徒が各学校の商品を自分のところの商品のように説明していますね」という声が多数届いていたと言い、「生徒たちは見えないところでも相当な時間をかけて準備していたし、自分事として取り組んでいた。学力では測ることのできない力が育っている」と感じている。

 また、同プロジェクトは、日本旅行をはじめ、多数の企業や高校と協働しながら進めてきた。大池教諭は「限られた地域だけでは視野が狭くなりがちだが、外へ外へと視野を広げて、関わる人たちが増えるほど、生徒たちもいろいろな価値観に触れられた。生徒の可能性を伸ばす取り組みになったのではないか」と手応えを述べた。

広 告
広 告