子供を性暴力の当事者にしない 教員向け研修動画を公開

子供を性暴力の当事者にしない 教員向け研修動画を公開
今回公開された教員向け研修動画(教職員支援機構のYouTubeチャンネルより)
【協賛企画】
広 告

 文科省は11月11日、子供たちを性犯罪・性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないための「生命(いのち)の安全教育」について、教員向けの研修動画を教職員支援機構のYouTubeチャンネルで公開するとともに、都道府県・政令市教委などに向け、教委主催の研修会や各学校の校内研修などでの活用を促す事務連絡を出した。

 今回の動画は、教職員支援機構の「校内研修シリーズ」で作成されており、主な内容は▽子供の性被害にかかる現状▽「生命(いのち)の安全教育」とは▽各発達段階の指導内容の紹介――など。性暴力被害について触れているため、フラッシュバックなどの症状がある人は留意する必要がある。

 動画では、すでに性暴力被害を受けている児童生徒がいる可能性を考慮し、「気分が悪くなったら退席してよい」と伝えることなど、性暴力というテーマを取り扱う上での配慮事項を説明した上で、幼児期、小学校(低・中学年、高学年)、中学校、高校といった発達段階別に身に付けたい内容を解説している。

 小学校低学年では自分と他の人の大切なところを守るルールや、自分の体を見られたり触られたりして、嫌な気持ちになった時の対処方法を学ぶ。小学校高学年では加えて、他の人を尊重するための体や心の距離感を守るルール、SNSを使う時に気を付けることなどを盛り込んでいる。

 また中学校では、他の人との適切な距離感、対等な関係の大切さを理解するほか、性暴力被害にあった場合の対処方法を身に付ける。さらに高校では、セクシュアルハラスメントやJKビジネスなど性暴力の具体例、その背景などを把握し、理解する。高校生は被害が増える一方で、大人に相談するのが難しくなることを踏まえ、相談方法を身に付けられるようにするほか、二次被害を起こさないための発言や行動ができるようにする。

 文科省は今回の事務連絡で、今年6月に公開した児童生徒向けの動画教材についても改めて周知した。動画は文科省のYouTubeチャンネルで見ることができる。小学校(低・中学年)向けはこちら、小学校(高学年)向けはこちら、中学校向けはこちら、高校向けはこちら

広 告
広 告