自分自身を元気にする言葉とは、どんな言葉だろう━━。大阪府高槻市立北日吉台小学校(大槻晴美校長、児童512人)では、米国のスポーツ界で選手を励ます言葉掛けとして始まったペップトークを授業に取り入れた「ペップ授業」を1、2年生全6クラスで取り組んでいる。このほど、運動会を前に1年1組で「セルフペップトーク」の授業が行われ、子どもたちはどんな言葉で励まされたいかなどを考え、運動会本番に向けて気持ちを高めた。
ペップ授業とは、ペップトーク講師でもある同校の乾倫子教諭が開発したペップワークシートを使った授業。運動会を翌日に控えたこの日は、まず「言ってもらうと元気が出る言葉」について考えた。すると子どもたちは「ありがとう」「一緒に遊ぼう」「いいね!」「すごいね!」「大好き」など、次々と自分が言われたら元気になる言葉を挙げた。誰かが意見を言うたびに、他の子たちが「それいいね!」「分かる、分かる」と承認する言葉を自然と掛ける姿が印象的だった。
続いて、翌日の運動会に向けてダンスなどを練習してきた子どもたちは、「どんな言葉で励ましてほしいか」について考えた。子どもたちからは「君ならできる」「がんばれ!」「行け―!」「燃えろー」「スマイル」などの言葉が出てきていた。
最後は応援リズムの定番である三三七拍子の「337ペップトーク」づくりに挑戦。乾教諭から「例えば、『できる できる わたしはできる』のような、337のリズムで、自分や友達を元気にする言葉を考えよう」と投げ掛けられた子どもたち。手をたたいて337のリズムになっているかを確認しながら、ワークシートに自分で考えた「337ペップトーク」を書いていった。
「がんばれ ファイト 勇気を出して」
「燃えろ 燃えろ みんなで燃えろ」
「できる できる みんなはできる」
それぞれが考えた337ペップトークが発表されると、全員でそれらを声に出し、運動会に向けて気持ちを高めた。
乾教諭は、年間を通して取り組んでいるペップ授業について、「タイミングを見て取り入れている。例えば、『セルフペップトーク』は、今日のような日以外にも、クラスがネガティブな雰囲気になっているときにも取り組んだりして、捉え方を変換している。また、運動会など行事が終わった後には『ありがとうワーク』を取り入れたりしている」と説明する。
何度も繰り返し行うことで、子どもたちの普段の声掛けや考え方に変化を感じるといい、「ペップ授業ではうれしい気持ちになったら正解。言葉を意識するようになることで、子どもたち同士でもきつい言葉が出てこなくなる。それが日々の考え方や行動にもつながっていく」と話す。