新学習指導要領への対応を踏まえ、2025年に大幅に変更される大学入学共通テストの試作問題が公表されたことについて、永岡桂子文科相は11月11日、閣議後会見で「従来の共通テストの方針を引き続き重視したもので、例えば『国語』では、さまざまな資料から読み取ったことを基にレポートを書くという場面設定により、言語活動を重視して、多様な資質能力を問う問題が作成されている」と評価し、「学習指導要領に基づく学習をしていれば対応できるという、適切な試験問題となるよう期待している」と述べた。
大学入試センターが今月9日に公表した、25年からの問題作成方針の方向性と試作問題では、新学習指導要領に基づき、「情報」が新たに追加されるほか、「国語」では言語活動の過程を重視した大問が1問追加されるなどの変更が公表された。
永岡文科相は11日の会見で、「文科省としては、高校までに育成した知識・技能や、思考力・判断力・表現力などの資質・能力を、多面的・総合的に評価する入学者選抜を推進している。共通テストの内容も、多様な資質能力の評価に資するものであることが必要と考えている」と、文科省の考え方を説明した。
その上で「今回公表された試作問題は、大学入試センターにおいて各教科・科目の専門家による検討を経て作問されたものと承知している。試作問題で初めての問題となる『情報Ⅰ』では、プログラミングの内容を含む問題とか、『国語』では、さまざまな資料から読み取ったことを基にレポートを書くという、言語活動を重視して多様な資質能力を評価するための問題が作成されるなど、学習指導要領の趣旨を踏まえた内容と受け止めている」と述べた。
さらに「大学入試センターにおいて、試作問題のモニター調査や、関係者の意見も踏まえて、現在の高校1年生の皆さんが初めて受けるテストとなるので、学習の成果がしっかりと出ること、良質な試験問題となることを期待している」と語った。大学入試センターは今後、大学生を対象としたモニター調査や高校関係者へのヒアリングを行い、内容・分量・程度などの調整をした上で、来年6月に正式な問題作成方針を公表する予定。