物価高騰の影響はコロナ以上 経済困窮のひとり親の6割

物価高騰の影響はコロナ以上 経済困窮のひとり親の6割
iStock.com/unomat
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 経済的に厳しいひとり親家庭の6割で、新型コロナウイルスよりもこのところの物価高騰の方が家計への影響が大きいと感じていることが、ひとり親家庭を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」がこのほど行った調査で明らかとなった。子どもの学用品などを買えないことがあると回答する割合も高く、子どもに深刻な打撃を与えている状況が浮かび上がった。

 調査は10月18~30日に、シングルマザーサポート団体全国協議会を構成する32団体の会員に対してインターネットで実施。2767件の有効回答を得た。

 

 その結果、「現在の物価高騰のほうが家計への影響が大きい」と答えたのは61%、「同じくらいの影響だ」は32%、「新型コロナ感染症のほうが家計への影響が大きい」は7%で、84%が「物価がかなり上がった」と感じていた。

 また、子どもの玩具・文具・学用品を買えないことが「よくあった」と答えたのは32%、「ときどきあった」は33%だった。

 

 子どもへの影響を自由記述で尋ねたところ、「学校の靴や上履きが買えず足が痛いと言っていたけど我慢して履かせてます」「肩身の狭い思いをさせてしまう。 部活動のユニフォーム、シューズを買ってあげられない。肉を買えないため栄養面が心配」「高校の修学旅行のお金がどうしても準備が出来ず、行かせてあげる事ができなかった」「服や靴、学用品が買えなくて古いので、学校で惨めな思いをしていると思う」など、教育費の問題だけでなく、子どもの健康面や心理面への影響を懸念する声が多く寄せられたほか、特に高校生の子どもがいる家庭への支援や給食費、教材費などの学校教育に関わる費用の無償化を求める要望もみられた。

 物価高騰が今後も続くことによるひとり親家庭への影響について、赤石千衣子しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長は「来年の入学・進学のお金を捻出するのはものすごく困難になるだろう。私たちの入学祝い金の調査では、中学校で計20万円、高校で計30万円くらい入学時にかかっている。そのお金をこの家計の状態でどうやって出すのかと思う。親や子どもの健康や心の状態も悪化するのではないか」と警鐘を鳴らしている。

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