人権侵害を受けたことがあると思った人のうち、18.1%の人が「学校でのいじめ」を挙げていることが11月16日、内閣府の行った世論調査で明らかとなった。子どもに関する人権問題でも3人に2人は「いじめを受けること」を挙げるなど、依然としていじめが人権問題として強く認識されていることを物語る結果となった。
調査は8月4日~9月11日に、日本国籍を有する18歳以上の3000人に質問紙を送付し、郵送またはインターネットで回答を求めた。有効回答は1556件。人権擁護に関する世論調査は1958年以来、今回で13回目となるが、前回までは調査員による個別面接聴取法だったため、単純比較は行わないとしている。
その結果、今までに自分自身の人権が侵害されたことがあると答えた人は27.8%で、具体的にどんな人権が侵害されたのかを複数回答で尋ねると、最も多かったのが「あらぬ噂、他人からの悪口、かげ口」で54.4%、次いで、「職場での嫌がらせ」(30.1%)や「名誉・信用のき損、侮辱」(22.9%)と続いた。「学校でのいじめ」は5番目に多く、18.1%だった。
また、日本における人権問題で関心があることを複数回答で挙げてもらったところ、最も多かったのは「インターネット上の誹謗中傷などの人権侵害」で53.0%、次いで「障害者」(50.8%)、「子ども」(43.1%)、「女性」(42.5%)だった。
子どもに関して、体験したことや身の回りで見聞きしたことで、人権問題だと思ったことを複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「いじめを受けること」で65.2%、次いで「いじめ、体罰や虐待について、周りの人が気がついているのに何もしないこと」(56.0%)、「虐待を受けること」(53.9%)、「体罰を受けること」(34.8%)、「学校や就職先の選択などに関する子どもの意見について、大人がその意見を無視すること」(31.4%)などがあった。
人権問題の解決に向けて国が力を入れるべきこと(複数回答)では、「学校内外の人権教育を充実する」が最も多く、57.6%に上った。