最先端のICT機器が学校に STEAMに対応した教室が完成

最先端のICT機器が学校に STEAMに対応した教室が完成
初めての「のすっ子未来教室」での授業を体験する児童ら
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 全国で初めて教育ICT基盤をフルクラウド化するなど、教育の情報化で先進的な取り組みを行っている埼玉県鴻巣市は11月28日、同市立鴻巣中央小学校(永塚壽一校長、児童416人)で、PBLやSTEAM教育の展開に対応した特別教室「のすっ子未来教室」の完成記者会見を開いた。「のすっ子未来教室」はGIGAスクール構想による1人1台環境の実現であまり使われなくなっていたコンピューター教室を改装。自由度の高い空間デザインでさまざまな学習形態に対応するほか、大型スクリーンや3Dプリンターなどを設置し、最先端のテクノロジーを取り入れた学びを可能にしている。

 鴻巣市では2021年度から、国立情報学研究所が運用し、全国の大学や公的研究機関の間で100Gbpsの通信が可能な「SINET」と接続し、強固なセキュリティー環境の下で、フルクラウドによる教育ICT基盤「鴻巣モデル」を構築。個別最適化された学びや、校務の電子化による教職員の負担軽減などに取り組んでいる。

 こうした「鴻巣モデル」の次の一手として、同市では内田洋行やインテルと連携し、最先端のICT機器を備えた学習環境の設計に着手。「のすっ子未来教室」として具現化した。

 今回先行して整備された同小の「のすっ子未来教室」は、コンピューター教室を改装し、大型スクリーンを中央に備える。連携しているワイヤレス画面転送装置を活用すると、児童の学習者用端末の画面を簡単にスクリーン上に映し、発表を行うことができる。移動が容易な机といすを配置することで、グループ活動への切り替えもスムーズにできる。

 また、画像編集ソフトなどをインストールした高性能パソコンや3Dプリンターが用意されており、STEAM教育に関連したクリエーティブな創作活動への活用が期待されている。

 この日の記者会見では、6年生の児童による「のすっ子未来教室」を使った授業も公開され、市名にちなみ、コウノトリの画像を実物大にして大きさを実感する活動や、遠隔地と結んだ同時双方向型の授業などが紹介された。「のすっ子未来教室」の授業を体験した6年生の児童は「コンピューター教室だったときはどこか暗いイメージがあったけど、広くて明るくなった」「ここなら、コロナで難しくなったグループ活動や遠くの学校との交流ができそう」「3Dプリンターで何か面白いものをつくってみたい。夏休みの自由研究で使えたらいいな」と感想を口々に話していた。

 永塚校長は「本校の教職員からも意見やアイデアを募り、少しずつ具体化させていった。カーペットは『虹』をイメージしており、学びの中で自然と子どもたちがつながっていく活動になることを意図している。今後は、子どもたちが授業以外でも自由に使えるような空間にしていきたい」と力を込めた。

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