日中韓で英語を教える教員の研修 日本は質と時間が課題

日中韓で英語を教える教員の研修 日本は質と時間が課題
【協賛企画】
広 告

 英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルは12月15日、日本、中国、韓国の公立小、中、高校で英語を教える教員を対象にした、英語教育の研修ニーズに関する調査結果を公表した。日本は中国や韓国と比べて、教員として指導を向上させたいスキルとして学習者の動機付けやスピーキング指導を上げる割合が高かった。一方で、既存の研修の質への不満も高く、十分な研修時間を確保できないと感じている割合が中国や韓国と比べて高かった。

 調査は2021年11月~22年4月に、日本、中国、韓国の公立小、中、高校の教員を対象にオンラインで実施。国別の回答件数は日本が394件、韓国が396件、中国が6469件。日本の回答者の校種別の割合は、小学校が21%、中学校が28%、高校が51%だった。

 教員が指導を向上させたい分野を5つまで選択してもらったところ、日本は学習者の動機付けが最も多く63%、次いでスピーキング指導(60%)や21世紀型スキル・能力の指導(44%)の順だった。それに対し、中国では、21世紀型スキルの指導が最も多く49%、次いでリーディング指導(40%)、学習者の動機付け(38%)の順で、韓国ではスピーキングの指導とリーディングの指導がともに45%で最多。次いで評価(44%)や21世紀型スキル・能力の指導(42%)、ライティング指導(41%)が続き、日本や中国に比べるとスキル別指導に関心を寄せる傾向にあった。

 日本の回答状況をさらに校種別でみると、どの校種でも学習者の動機付けを選択している割合が最も多く、小学校では中高と比べて授業計画を選ぶ割合が、中高ではスピーキング指導や21世紀型スキル・能力を選択する割合が多かった。

 研修に関しての質問では、日本は「既存の研修の質に満足している」の項目で「そう思わない」と回答した割合が51%、「全くそう思わない」が10%と、既存の研修に対する支持率が低く、「研修する時間を見つけることが難しい」の項目で「非常にそう思う」と答えた割合は、日本が44%なのに対し、中国は16%、韓国は18%で、日本の教員の多忙さが際立った。

 また、オンライン研修のニーズに関して尋ねたところ、「非常に重要」と答える割合でみると3カ国ともに「授業で直面する問題解決に役立つ」「授業で使えるアクティビティーや教材が得られる」「最新の理論や実践を学ぶことができる」といった、授業実践に役立つ内容を優先する傾向にあった。

広 告
広 告