部活動地域移行の課題「指導者の確保」が7割 日教組調査

部活動地域移行の課題「指導者の確保」が7割 日教組調査
記者会見であいさつする山木書記長
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 日本教職員組合(日教組)は12月22日、文科省で記者会見を行い、「2022年学校現場の働き方改革に関する意識調査」の結果を発表した。部活動の地域移行における課題について、部活動のある中学校教員2300人に複数回答(3つまで)で尋ねたところ、「指導者を確保できない」が72.5%で突出していた。次いで「移行のイメージや将来がわからない」(39.9%)、「指導者・施設など地域間格差がある」(36.3%)、「交通費等の予算が確保されていない」(31.8%)といった課題が挙げられた。

 他にも「兼職兼業条件や内容が示されていない」(16.4%)、「活動施設を担保できない」(15.1%)、「活動施設への移動手段がない」(12.4%)、「保護者の費用負担が大きい」(11.7%)などの課題があった。「特に課題はない」はわずか1.4%だった。

 日教組は21年の調査で、今後の部活動における教員の役割を尋ねており、そこでは「部活動は教員が引き続き指導する」は7.8%にとどまった。一方「地域スポーツクラブなどに移行する」が30.8%、「外部の指導員などに協力してもらう」が18.6%、「外部の指導員などが中心で指導する」が15.3%と、地域移行や外部指導員の活用に積極的な声が多数を占めていた。とはいえ22年の調査では、実際に地域移行を進めるにあたっての指導者の確保の難しさなどの課題が浮き彫りとなった。

 日教組の山木正博書記長は「働き方改革を進める観点だけでなく、運動場の広さや指導者の関係で希望する部活動ができないなど、子供たちが活動を行う権利が守られない状況も生まれている。学校だけではなく、地域という大きな組織の中で、スポーツや文化活動ができる環境整備を進めることが必要だ」と述べた。

 日教組は働き方改革に関する調査を18年から毎年行っており、今回が5回目。今回の調査は22年9~10月にオンラインで行われ、全体で9702人の教職員から回答を得た。

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