女性の性と生殖に関する健康と権利を推進する国際NGOのジョイセフは12月22日、アフガニスタンで女性の大学教育が停止されたことを非難し、早期再開を求める緊急声明を出した。高等教育の機会が奪われたことは女性の医療従事者や教育者が育成されないことにもつながり、家族以外の男性に肌を見せられず、女性の医療従事者にしか診察してもらえない、学校では女性教員にしか教えを受けられないアフガニスタンの女性たちにとって致命的だと指摘している。
アフガニスタンでは2021年の政変以降、武装勢力のタリバンが実権を握っており、それ以来、女子の中等教育が停止された状態にある。12月20日には高等教育省が大学での女性の教育を停止することを決めており、実質的に女性は小学校6年間しか教育を受けられない事態となっている。
緊急声明では、今回の決定によって今後、女性の医療従事者や教育者が育成されない問題にも発展しかねないと懸念している。これは、宗教上の理由から家族以外の男性に肌を見せられず、医療施設では女性の医療従事者にしか診察してもらえなかったり、学校では女性の教員からの指導しか受けられないとされていたりする現地の女性たちにとって致命的であるだけでなく、女性の子どもや家族の健康、生活、生命にも影響をもたらすと警鐘を鳴らしている。
その上でジョイセフでは、早期の高等教育再開を求めるとともに、女子が学んでいる小学校へのランドセル、学用品の配布を継続するなどして、政府や地域住民に対し女子教育支援の重要性を訴えていくとし、活動への賛同や寄付を呼び掛けている。