女性管理職、過去最高22.3% 働きやすい環境作りが課題

女性管理職、過去最高22.3% 働きやすい環境作りが課題
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 公立学校における女性管理職(校長、副校長、教頭)が2022年4月1日現在で1万5112人となり、管理職に占める女性の割合が22.3%(21年21.1%)と過去最高を更新したことが12月26日、文科省の「令和3年度公立学校教職員の人事行政状況調査」で分かった。校長は19.3%、副校長・教頭は25.0%で、副校長・教頭の割合は国が定める男女共同参画の成果目標を達成し、校長の割合もあと一歩に迫る水準となった。一方、学校現場からは私生活との両立が難しいことなどから、管理職になることを望まない女性の声も聞こえる。

 女性管理職は21年と比べて755人増加。校種別に見た割合は、小学校では28.2%(同1.3ポイント増)、中学校・義務教育学校では13.9%(同1.1ポイント増)、高校・中等教育学校では12.0%(同0.9ポイント増)、特別支援学校では32.1%(同1.0ポイント増)となり、中高で低い傾向が続くものの、いずれも増加した。

 ただ、22年度の学校基本調査での教員全体の男女比からすると、女性管理職の割合は低くなっている。公立小の教員数(本務者)は男性37.3%、女性62.7%と女性の割合の方が大きい一方、女性管理職の割合は3割に届かない。公立中でも男性55.0%、女性45.0%という教員全体の男女比からすると、13.9%という女性管理職の割合は決して高いとはいえず、管理職を希望する女性の育成が課題となっている。

 かつて管理職になりたいと思ったことがあるが、諦めたという公立小の女性教員は「ある女性管理職が『私は家庭を顧みずに今までやってきた』と話していた。そんな働き方をしないと女性管理職にはなれない現状だとすると、5人に1人も管理職になっていることが正直、驚きだ」と語る。また別の公立小の女性教員は「管理職になりたいとは思わない。仕事のできる・できないにかかわらず、定時退勤が不可能だ」とこぼす。

 さらに、ある公立小の女性管理職は「学校や教育委員会の要職はほとんど男性で、女性はまだまだ少ない。母親教員が働きやすい仕事ではないと思う」と指摘しており、働きやすい環境作りが急務となっていることがうかがえる。

 国の第5次男女共同参画基本計画(20年12月閣議決定)では、25年までに初等中等教育機関の副校長・教頭に占める女性の割合を25%、校長に占める女性の割合を20%にすることを目指している。

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