学校給食費、いまだ約4割「公会計化の予定なし」 文科省調査

学校給食費、いまだ約4割「公会計化の予定なし」 文科省調査
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 文科省はこのほど、2021年度における学校給食費に関わる公会計化の推進状況について調査結果を公表した。全国の市町村など1794教委のうち、公会計化を「実施している」「準備・検討している」として取り組んでいるのは991教委(62.2%)で、19年の前回調査と比較して5.1ポイント増加した。一方、「実施を予定していない」と回答したのは602教委(37.8%)だった。

 同調査は、学校給食を実施している小中学校などの設置者である全国1794自治体の教委を対象に、21年5月時点の推進状況を調べた。文科省では、教員の業務負担軽減の観点から、学校給食費について、地方自治体の会計に組み入れる「公会計制度」を採用するとともに、徴収や管理を教員や学校が行うのではなく、自治体が自らの業務として行う「公会計化」の推進を促している。

 調査結果では、学校給食費の公会計化を「実施している」と答えたのは498教委(31.3%)で、前回調査(26.0%)から5.3ポイント増加した。「準備・検討している」は493教委(30.9%)で、前回調査(31.1%)より0.2ポイント減少。公会計化に取り組んでいるのは合計で991教委(62.2%)と、前回調査(57.1%)から5.1ポイント増加した。

 一方で「実施を予定していない」と回答したのは602教委(37.8%)で、前回調査(42.9%)より減少したものの、いまだに約4割の教委が学校給食費の公会計化に取り組む予定がないことが分かった。

 学校給食費の公会計化について「実施を予定してない」と回答した教委の割合を都道府県別にみると、▽佐賀県(86.7%)▽青森県(75.8%)▽山形県(64.7%)▽新潟県(63.3%)▽福井県(62.5%)――の順で高く、一番低い群馬県は4.2%だった。

 また、公会計化の「実施を予定していない」と回答した教委に、支障になっている事由を複数選択で聞いたところ、▽情報管理のための業務システムの導入・改修にかかる経費(332教委)▽情報管理のための業務システムの運用にかかる経費(302教委)▽人員の確保(321教委)▽徴収や未納などの対応における徴税部門などとの連携(199教委)――が挙げられた。

 同省初等中等教育局健康教育・食育課では、今後の対応として「すでに公会計化を実現している自治体の事例をまとめ、学校給食費徴収・管理に関するガイドライン、学校給食費の公会計化などに関するQ&Aとともに各自治体に通知し、引き続き学校給食費の公会計化の促進を図る」としている。

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