2021年度の男性教員の育児休業の取得割合が9.3%となり、前回調査時(18年度)の2.8%からは大幅に増加したものの、いまだ地方公務員全体と比べると低い水準にあることが、文科省がこのほど公表した人事行政状況調査で分かった。女性の取得割合は97.4%で、前回から0.5ポイント増加した。
21年度に新たに育児休業を取得可能になった男性職員は1万7260人、女性は2万591人。うち男性1603人(9.3%)、女性2万64人(97.4%)が育児休業を取得した。ただ、地方公務員全体の育児休業の取得割合(男性13.2%、女性99.7%)と比較すると、男性・女性ともにやや低い水準となった。
育児休業の承認期間(21年度に新たに取得可能となった職員のほか、20年度以前に取得可能となり21年度に新たに取得した職員を含む)を見ると、女性では「12月超24月以下」が43.3%で最多、次いで「24月超」も32.3%に上ったが、男性では「1月以下」が最多の25.1%となり、そのうちおよそ3割は5日未満だった。
21年度の育休代替要員の配置状況を見ると、「臨時的任用」が59.9%と最も多く、次いで「任期付任用」が30.5%だった。「特段の措置なし」も全体の5.8%となっているが、とりわけ男性職員の場合に多いことから、文科省の担当者は「代替要員が確保できないケースだけでなく、育児休業の取得期間が比較的短い場合に、すでにいる教員が代わりに対応したケースが考えられる」と指摘する。
同省の担当者は「女性職員のみならず、男性職員にも育児休業を取得していただくことが、男女共同参画や働き方改革を進める上で重要だが、そのためには育児休業を取りやすい職場環境の実現が必要だと考えている。代替職員の確保に向け、事前に配置しやすくする仕組みを導入したので、それを活用していきたい」と語る。
文科省は来年度から、公立小中学校・特別支援学校で5~7月に産休・育休の取得予定者がいる場合、代替要員を確保しやすい年度当初に前倒しで配置できるよう、加配の運用を見直すとしている。