多くの学校で連休明けから3学期が始まる中、能登半島地震の影響で、石川県内の公立小中学校281校のうち、七尾市や輪島市、珠洲市など3市3町の50校で3学期が始まるめどが立っていないことが1月10日、同県教委の集計で分かった。3学期の開始を延期したのは4町の15校だった。輪島市は市内の希望する中学生の集団的避難を打診しており、県では受け入れに向けた調整を進めている。被害が大きかった珠洲市や穴水町、能登町などからも要望があれば検討するという。
県教委の担当者によると、輪島市から打診のあった中学生の集団的避難は、市内の中学校に在籍する約400人の生徒の中で、集団的避難を希望する場合に受け入れることを想定しているという。小学生は保護者のもとを離れるのが難しいため対象としていない。県は輪島市以外にも、珠洲市や穴水町、能登町などから同様の要望があれば検討する意向で、具体的な受け入れ場所を含め、現在調整を進めている。担当者は「友達と一緒に過ごす中で笑顔を取り戻してくれれば」と話す。
また、1月10日に開催された同県の災害対策本部員会議に合わせ県教委がまとめた資料では、同日午後2時時点で、県内の公立小中学校のうち、3学期の開始について「未定」としていたのは七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町、能登町などの小学校34校、中学校14校、義務教育学校2校だった。「延期」は4町の小学校10校、中学校5校で、このうち1月11日開始としたのは津幡町の中学校1校、同15日開始としたのは中能登町、内灘町(「未定」の小学校1校を除く)の小学校8校、中学校2校、同22日開始は志賀町の小学校2校、中学校2校だった。
公立高校で3学期の開始が「未定」なのは、いずれも県立高校で▽金沢北稜▽羽咋▽羽咋工業▽志賀▽鹿西▽七尾東雲▽七尾▽田鶴浜▽穴水▽門前▽能登▽輪島▽飯田▽羽松(定時制)▽七尾城北(同)▽輪島(同)――の16校に上る。県立宝達高校は1月11日に、県立金沢泉岡高校(通信制課程)は同14日に「延期」とした。県立特別支援学校で「未定」なのは、七尾、七尾輪島分校、七尾珠洲分校の3校。
私立学校では七尾市にある鵬学園高校や輪島市にある日本航空高等学校石川が「未定」となっている。