学童保育・児童館施策の方向性 専門委が報告書案を了承

学童保育・児童館施策の方向性 専門委が報告書案を了承
iStock.com/Hakase_
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 放課後児童クラブ(学童保育)や児童館の在り方について検討してきた、厚労省社会保障審議会児童部会の放課後児童対策に関する専門委員会は2月8日、第15回会合をオンラインで開き、専門委員会としての報告書である「放課後児童クラブ・児童館等の課題と施策の方向性」のとりまとめに向けて、大筋で了承した。また4月に発足するこども家庭庁に対して、これまでの専門委員会での議論を引き継いで、放課後のこども政策の検討を進めるよう求めた。

 この日示された報告書案では、第1部で学童保育を、第2部で児童館をそれぞれ取り上げている。

 学童保育に関しては、昨年5月時点で登録児童数が過去最高を更新した一方で、待機児童数の増加も課題になっているとし、学校の余裕教室の活用や特別教室のタイムシェア、ゆとりが生じている保育所・幼稚園への設置など量的な対策を提案するとともに、放課後児童支援員の確保や処遇改善、質の向上策も合わせて進めることが肝要だと強調。文科省が所管している放課後子供教室と一体型の学童保育の推進や、障害のある子どもの受け入れ促進に向けた施策の必要性なども打ち出した。

 ワーキンググループでの検討をベースにした第2部では、児童館について、子どもや保護者に寄り添い、誰もが安全・安心して利用できる居場所としての機能を目指すとともに、虐待や貧困、不登校などの福祉的課題に対応していくため、ソーシャルワーク機能などを強化していく必要性があると指摘。中高生世代が集まって活動できる取り組みや、民間団体による子ども食堂や学習支援などへの設備の貸し出し、現在配置されている児童館職員に加え、福祉系専門職の配置を進めていくことなどを盛り込んだ。

 また、今後に向けて、関係者には子どもの権利保障の観点から課題解決をしていく基本姿勢が求められるとし、こども基本法の理念を反映した制度改正への検討や、放課後児童施策を担う人材の確保、専門性の向上などについて、こども家庭庁に引き継いでいくことの重要性を強調した。

 報告書は委員からの意見を踏まえ加筆修正を加えた後、今年度中をめどに公表される見通し。

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