【5類移行】文科相臨時会見詳報 「新年度からマスクは求めない」

【5類移行】文科相臨時会見詳報 「新年度からマスクは求めない」
記者会見する永岡文科相
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 卒業式や入学式など学校の式典でのマスク着用を巡り、文科省は2月10日、今年の学校の卒業式に出る子どもと教職員は原則、マスクの着用を不要にするとした通知を都道府県・政令市の教育委員会に発出した。それを受けて永岡桂子文科相は同日夕、臨時の記者会見を開き、「新年度となる4月1日から、学校教育活動の実施にあたり、マスクの着用は求めないことを基本とする」と表明した。臨時会見における永岡文科相の冒頭発言と記者との主な質疑は次の通り。

冒頭発言

 政府の新型コロナ対策本部が持ち回り開催され、マスクの着用の考え方の見直しについて決定した。文科省としても、先月27日の政府対策本部決定におけるマスク着用に関する基本的な考え方を踏まえ、関係省庁や専門家とも協議を行いながら、学校におけるマスクの取り扱いについて、検討を進めてきた。

 マスク着用の考え方の見直しについては、国民の皆さまへの周知期間などを考慮して、3月13日から適用されることとなるが、学校については、その時期が学年末に当たることなどを考慮して、円滑な移行を図る観点から、新年度となる4月1日から適用する。そして、学校教育活動の実施に当たり、マスクの着用は求めないことを基本とすることとした。

 他方、全国の学校では、それ以前に卒業式が行われる。卒業式については、他の学校教育活動と比べて、感染リスクが低いこと、また、今年卒業を迎える子どもたちは学校生活の大半をコロナ禍で過ごしてきたことなどを踏まえて、その教育的意義も考慮し、社会一般でのマスク着用の見直し時期に関わらず、換気の確保などの感染症対策を講じた上で、児童生徒、教職員はマスクを着用せず、出席することを基本とすることとした。

 今回の見直しに当たっては、各学校の卒業式の円滑な実施に資するように児童生徒および教職員については、校歌などの斉唱や合唱時を除き、入退場や式辞、卒業証書授与、答辞の場面など式典全体を通して答辞、マスクを外すことを基本とする。そして、来賓や保護者などはマスクを着用するとともに、座席間に触れ合わない程度の距離を確保した上で、参加人数の制限は不要といった、各場面の取り扱いに関する基本的な考え方を教育委員会や学校等に対して示している。

 なお、いずれの場合においても、基礎疾患などのさまざまな事情により感染不安を抱き、マスクの着用を希望したり、また健康上の理由により、マスクを着用できなかったりする児童生徒もいることなどから、学校や教職員がマスクの着脱を強いることのないよう、お願いしたいと考えている。

 文科省としては、政府全体の方針を踏まえつつ、今後、子どもたちがマスクを外し、円滑なコミュニケーションを図りながら、充実した学校生活を送ることができるよう、しっかりと取り組んでいく。

主な質疑

--学校現場では、今回の通知が出るまで、卒業式でも当然マスクをするものと考えて準備している。急にやり方を変えることをどう考えているか。

 永岡文科相 これは政府が決定しましたので、ぜひそのことを考えていただければと思っている。

--マスクの着用の考え方の見直しについて、一般社会では3月13日から適用するのに、学校では4月1日からとした理由は

 永岡文科相 大学などの入学試験も3月中にはある。そういうことも配慮して、学校関係では4月1日とした。やはり入試の期間は混乱があるので、試験会場ではマスクの着用をお願いしたい。今まで通りの対応をお願いしたい。4月1日からは、学校の教育活動の実施にあたっては、基本的にマスクの着用は求めないことになる。政府の対策本部の決定を踏まえた上で、マスク着用を含む感染対策全体について、各学校の新年度からの対応に間に合うように検討を進めていきたい。

--衛生管理マニュアルの見直しはどう考えるか

 南野圭史・初等中等教育局健康教育・食育課長 マスクに関しては4月1日以降、基本的には求めないということなので、衛生管理マニュアルを変えるか、どういう形にするかはこれから考えるが、新しい方針を4月1日以降に向けて出していく。今回、5類の見直しに当たって、感染症対策全体を決定することになると思うので、これをどういう形で示すか検討していきたい。

--卒業式でマスクを外すとなると、マスクを外したくない児童生徒にマスクを外すように求める同調圧力が心配だ。どう考えるか。

 永岡文科相 そこのところは、(マスクを)外せということを強制することはない。しかしながら、同調圧力が心配ということなので、そこのところはしっかりと教育委員会、また学校にもご協力をいただくように連絡する。

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