マスク着用、学年・性別で感じ方に差 感染不安も、民間調査

マスク着用、学年・性別で感じ方に差 感染不安も、民間調査
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 マスク着用について、男子で「めんどうくさいから、つけたくない」、女子で「はずかしいから、つけたい」、中学生で「はずすとまわりのひとにいやがられるから、つけたい」と感じる傾向がそれぞれ全体と比べて高いなど、マスク着用を巡る感じ方が学年や性別によって異なっていることが、ニッセイ基礎研究所の調査でこのほど分かった。また、調査対象者の子供のうち、自身のコロナ感染を心配している割合は66.2%となり、感染不安を抱く子供が少なくないこともうかがえる結果となった。

 この調査は、同社が昨年10月にインターネットで実施したもので、全国の小中学生865人が分析対象。調査結果によれば、マスクを着けたくない理由として最も割合が高かったのは「あつい、いきぐるしいからつけたくない」(52.9%)。一方、マスクを着けたい理由として最も高かったのは「ほかのひとからびょうきがうつりそうだから、つけたい」(27.7%)だった。

 マスクを着けたくない理由のみを挙げた子供は34.1%、着けたい理由のみを挙げた子供は23.8%で、32.9%は着けたい理由・着けたくない理由の双方を選択するなど、感じ方の意見が割れた。性別を見ると、男子で「めんどうくさいから、つけたくない」、女子で「はずかしいから、つけたい」、中学生で「はずすとまわりのひとにいやがられるから、つけたい」が他と比べて高くなるなど、学年・性別による差がうかがえた。

 さらに、自分のコロナ感染を心配している子とそうでない子を比較すると、心配している子では「ほかのひとからびょうきがうつりそうだから、つけたい」「みんなつけているからつけたい」「はずすとまわりのひとにいやがられるから、つけたい」「ほかのひとにびょうきをうつしそうだからつけたい」「はずかしいから、つけたい」といった多くの項目で、マスクを着けたい理由を挙げる割合が高かった。

 今回の調査結果を踏まえ、ニッセイ基礎研究所の村松容子主任研究員は「子供でも感染不安を感じていて、マスクによって少しでも感染が防げるのならば、着用しようと思う子もいるし、マスクをしていることに慣れ、着用で落ち着くと感じている子もいる。現在の、脱マスクに向けた急速な動きや各種の意見は、すでにその子たちに大きなプレッシャーになっている。まずは、感染不安を取り除くことが重要だ」と分析する。

 その上で「これからコロナとどう付き合っていこうとするのか、社会である程度の共通認識を持つことや、どういう場面でマスクにどの程度の効果があるのか、個人で判断するための材料があることが重要。例えば卒業式では、『マスクなしにする代わりに、より広い会場で行い、隣の子との距離を確保する』『祝辞を聞いているときはマスクを外すが、合唱の時はマスクをする』といった方針が立てられると、自分の意見も定まりやすいだろう」と指摘する。

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