富山県教育委員会は2月14日、来年度に実施する小学校の教員採用試験について、一般選考の1次試験を大学3年生でも受験可能にすると発表した。加えて、定年延長による採用数の変動を見込んだ採用制度を新設。2024年度採用者の一部を25年度採用とすることで、採用数の平準化を図る。
同県教委によると、教育実習などで多忙な大学4年生の負担を減らすなどの目的で、一般選考の小学校では、大学3年生から1次試験の受験を可能とする。大学3年生で1次試験に合格すると、翌年度の教員採用試験では2次試験から受験することになる。
また、定年延長による退職者数によって、年度ごとに生じる採用数の変動を緩和し、受験者の不公平感を軽減するため、合格者を「名簿登載A」と「名簿登載B」に分け、「名簿登載B」の合格者については、24年度採用者を除き、25年度採用とする制度も新設する。
この他に、産業教育の分野で専門的な知識がある人材を即戦力として確保するため、中学校・高校の「工業」「情報」において、富山大学、富山県立大学の大学院から、教員免許状を必要としない推薦による修士学位取得者向けの推薦枠を設ける。推薦人数は各教科2人以内で、採用時には特別免許状を授与する。特定の教科を対象に、その教科の教員免許状に関する課程認定を受けている大学からの推薦枠についても、従来の中学校・高校の「工業」「情報」「技術」に加え、新たに「家庭」「農業」「水産」にも拡大する。
さらに、来年度実施の試験から願書を廃止し、出願手続きは県の電子申請サービスとするなどの変更もある。
定年延長に伴う今回の変更について、県教委の担当者は「学生などから、定年延長によって採用がない年があるのではないかという問い合わせがあった」と話し、採用数の平準化を目的とした過渡的な対応と説明している。