地域にへき地や離島、小規模校を多く抱える北海道教育大学、長崎大学、鹿児島大学、琉球大学は2月28日、都内で連携協定を結び、学校規模の縮小に対応したへき地・小規模校に関する教育研究や教員養成について、互いのリソースを生かして発展させていくための連携協定を結んだ。へき地・小規模校で行われている複式学級や少人数教育は、令和の日本型学校教育で重視されている「個別最適な学び」や「協働的な学び」に適しているとし、都市部の学校への応用も視野に入れている。
連携協定では、4大学がへき地や離島、小規模校についての教育研究分野で包括的かつ緊密に協力し、教員養成や教員研修の質の向上を目指す。具体的には、各大学でのへき地や離島、小規模校研究の成果報告書や教員研修の資料、大学のカリキュラム・シラバスを共有。複式学級をはじめとするへき地・小規模校ならではのノウハウを生かし、ICTを活用した遠隔合同授業や異学年集団指導、自由進度学習などの教育実践について、都市部の学校への応用実践も開発していく。
北海道教育大学の蛇穴(じゃあな)治夫学長は、へき地・小規模校の課題として「令和の日本型学校教育の中教審答申が出され、これからの日本の教育の方向性が示された。授業観、学習観の転換といった大きな課題に教育界全体で向き合わなければならない中で、へき地・小規模校に勤務する教師にはさらに、複式、間接指導、少人数学級経営指導など独自の指導方法の習得や地域の実情に応じた教育実践、さらには少人数の子どもたちを対象にするからこその多様な見方・考え方を育てる教育への対応も求められ、ICTを活用した遠隔教育の方法の習得なども必要になっている」と指摘。4大学による研究・教育面での今後の相乗効果に期待を寄せた。