【5類移行】学校の対処方針 マスクとそれ以外の2段階で見直し

【5類移行】学校の対処方針 マスクとそれ以外の2段階で見直し
答弁する永岡文科相(衆議院インターネット審議中継より)
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 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられることに合わせ、文科省は3月10日、衆議院文科委員会の答弁で、学校教育活動にマスクの着用を求めないことを基本とする4月1日以降に適用する留意事項と、5類感染症に移行する5月8日以降に適用するマスク着用以外の感染症対策について、2段階に分けて学校の対処方針を示す考えを明らかにした。永岡桂子文科相は「4月1日以降、児童生徒にマスクの着用を求めないことが基本となるが、児童生徒が通勤ラッシュ時等に混雑した電車やバスを利用する場合には、マスクの着用を推奨することも考えられる」と説明した。

 新型コロナの5類移行に向けた学校現場の対処方針をただされた文科省の藤原章夫初等中等教育局長は「マスクの取り扱いについては、2月10日の政府対策本部決定において、学校教育活動の実施にあたって着用を求めないことを基本とし、4月1日から適用することとされた」と説明。「円滑な移行を図る観点から、具体的なマスクの取り扱いや活動の場面ごとの留意事項等について、改めて教育委員会や学校等に対して周知することを検討しており、各学校の新年度からの対応に間に合うように示したいと考えている」と続け、近く4月1日以降の学校教育活動におけるマスクの取り扱いや活動場面に応じた留意事項を通知する考えを明らかにした。

答弁する藤原初中局長(衆議院インターネット審議中継より)
答弁する藤原初中局長(衆議院インターネット審議中継より)

 さらに「マスク着用以外の感染症対策については、5類感染症に移行する5月8日に向けて見直しを行う必要があると考えている。5類感染症移行後の社会一般における感染症対策の在り方の検討を踏まえつつ、子供たちが安全安心な環境の中で充実した学校生活が送れることができるよう、速やかに検討したい」と答え、マスクの取り扱いとは別に、5類感染症移行後の学校現場の具体的な対処方針を5月8日までに明示する考えを示した。上杉謙太郎議員(自民)の質問に答えた。

 一方、永岡文科相は、学校でマスク着用を求めないことが基本となる4月1日以降であっても、通学で混雑した電車やバスを利用する場合には、マスク着用が推奨されるとの考えを示した。「登下校時については、2月10日の政府対策本部決定を踏まえれば、4月1日以降、児童生徒にマスクの着用を求めないことが基本となる。他方、同決定においては、通勤ラッシュ時等の混雑した電車やバスを利用する場面ではマスクの着用を推奨するとされていることから、児童生徒が通勤ラッシュ時等に混雑した電車やバスを利用する場合には、マスクの着用を推奨することも考えられるものと思っている」と説明した。柚木道義議員(立民)の質問に答えた。

 また、永岡文科相は「4月1日以降、児童生徒にマスクを外すことを強いることがないようにすることが大事だと思っている」とも強調した。「基礎疾患があるなどさまざまな事情によって感染不安を抱き、またマスクの着用を希望する児童生徒もいる。生徒児童間でもマスクの着用の有無による差別偏見がないようにすることが重要と考えている」と述べ、各教育委員会や学校現場に適切な指導を求めていくことを説明。マスクの取り扱いについては「来週には対策を通知したい」と考えを示した。菊田真紀子議員(立民)の質問に答えた。

 新型コロナの5類移行に関連した学校現場の対処方針については、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が2月10日、卒業式において「マスクを着用せずに出席することを基本とする」と決定。これを受け、永岡文科相は同日夜の臨時記者会見で、卒業式の具体的な場面でのマスクの取り扱いについて、「児童生徒および教職員については、校歌などの斉唱や合唱時を除き、マスクを外すことを基本とする」ことを表明した。また、4月1日以降の新年度については「学校教育活動の実施に当たり、マスクの着用は求めないことを基本とする」と説明。文科省は同日、こうした内容を都道府県・政令市の教育委員会に通知している。

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