児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み

児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み
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 2022年の小中高生の自殺が514人と過去最多になったことが3月14日、警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚労省の集計で分かった。500人を超えるのは1980年の統計開始以降初めて。校種別に見ると高校生(全日制)が259人と最も多く、原因・動機が分かっている者の中では「学校問題」、とりわけ学業不振や進路の悩みが最も多かった。

 

 児童生徒の自殺者の内訳は▽小学生 17人▽中学生 143人▽高校生(全日制) 259人▽高校生(定時制・通信制) 89人▽高校生(特別支援学級) 6人▽高校生(その他・不詳) 0人。昨年度と比べ、小学生は11人増、中学生は5人減、高校生は40人増となった。性別に見ると男子が293人、女子が221人だった。

 原因・動機が特定されている者について見ると、小中高生とも「学校問題」が最も多く、小中学生は次いで「家庭問題」「健康問題」「その他」、高校生は次いで「健康問題」「家庭問題」となっている。「学校問題」のうち、小学生は「学業不振」「学友との不和(いじめ以外)」、中学生は「進路に関する悩み(入試以外)」、高校生は「学業不振」が最も多くなっている。

 文科省は2月28日、22年度の自殺者数が暫定値でも過去最多となったことを受け、都道府県・政令市教委などに向けて通知を発出した。そこでは▽学校における早期発見に向けた取り組み▽保護者に対する家庭における見守りの促進▽学校内外における集中的な見守り活動――といった対応を促した。

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