年3日平日に学校休める「ラーケーションの日」 愛知県が導入

年3日平日に学校休める「ラーケーションの日」 愛知県が導入
記者会見でラーケーションの日導入について報告する大村知事(愛知県臨時知事記者会見YouTubeより)
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 愛知県は3月16日、公立の小中高生と特別支援学校の児童生徒が、保護者の休みに合わせて年3日まで平日に学校を休める「ラーケーションの日」を創設し、2023年度の2学期以降、順次導入していくと発表した。同県が各都道府県に確認したところ、全国初の取り組みだという。また、合わせて23年度から県民の日(11月27日)までの1週間のうち1日を休日とすることができる「県民の日学校ホリデー」も創設する。

 今回の取り組みは、愛知県「休み方改革」プロジェクトの一環。家族の休みに合わせて子供が学校外で活動できる仕組みとして「ラーケーションの日(校外学習活動の日)」を、子供の休みを契機に家族が一緒に休める仕組みとして「県民の日学校ホリデー」を創設する。

 「ラーケーションの日」は、同県内の公立学校(小・中学校、高校、特別支援学校)に通う子供たちが、保護者らと共に校外で体験や探究の学びを自ら考え、企画し、実行することができる日として設けられる。「ラーケーション」とは、「ラーニング(learning)」と「バケーション(vacation)」を組み合わせた造語。

 「ラーケーションの日」は、校外での自主学習活動であることから、病気による出席停止や部活動の大会出場などと同じ扱いとなり、欠席にはならない。保護者が子供と相談し、事前に学校に届け出ることで、年3日まで取得することができ、まとめて取ることも可能としている。休んだことで受けられなかった授業内容は、家庭において事前あるいは事後に教科書などを用いて自習することを基本としている。

 環境整備が整った学校や市町村から23年度2学期以降、順次取り入れていくとしており、同県教委の担当者は「今後、テスト期間中や学校行事の日など、取得できない期間を設定するなど、学校ごとに導入に向けた環境整備を進めていってもらう」と説明。大村秀章知事も3月16日の臨時会見で「整ったところから、やれるところから始めてもらう」と強調した。

 また、同県内の公立学校(幼稚園、小中学校、高校、特別支援学校)は11月21~27日までの「あいちウィーク」期間中の1日を「県民の日学校ホリデー」に指定し、休業日とする制度も23年度からスタートする。学校教育法施行令第29条の「体験的学習活動等休業日」とし、この日に合わせて保護者が子供たちと一緒に過ごせるよう、有給休暇の取得を促すとしている。また、有給休暇を取得できない家庭にも配慮し、合わせて市町村と連携して児童クラブなどの居場所づくりも行う。この取り組みは東海以西では愛知県が初となる。

 大村知事は同会見で「有業者の内、約2分の1の方が土曜日働いており、約3分の1の方が日曜日働いている。そういう方たちは子供たちと一緒にいろいろな活動ができない現実がある。家族そろって活動しやすいように、市町村単位で話し合ってもらって、やれるところから取り組んでほしい」と話した。

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