熊本県教委はこのほど、4月からの新たな取り組みとして、教育行政・教育事務の職種で採用され、教員免許を保有する事務職員を、教諭として学校現場に派遣すると発表した。今年4月には2人の事務職員を、県内の特別支援学校と中学校にそれぞれ配置する。県教委の担当者は「教員不足の穴埋めではなく、学校教育の活性化が目的」と説明している。
同県教委は今回、教員免許を持ち、教職への意欲の高い事務職員2人を、益城町立益城中学校と県立小国支援学校にそれぞれ教諭として派遣する人事異動を発表。同県教委の担当者によれば、一般行政職とは異なり、教育行政・教育事務の職種で採用された事務職員で、学校事務職員の経験や専門性があり、すでに教壇に立つための研修を実施しているという。
今回の取り組みは人事異動の一環として実施されるため、事務職員がいったん退職したり、教諭として改めて採用されたりといったプロセスは取らない。ただ、事務職員から教諭へと職種が変更になるため、給与体系は教諭と同様のものに転換されるという。
同県教委の担当者は教育新聞の取材に対し、今回の人事異動は「教員不足の穴埋めではなく、学校教育の活性化を目的とした人事異動」と説明。今後も同様の人事異動があるかについては、今回のように教員免許を保有しており、教職への意欲が高い事務職員がいる場合に検討するとして、「恒久的な制度にはならない可能性もある」と述べた。