島根県教育委員会はこのほど、2023年度から県内2校の特別支援学校で、始業前の預かりを始めると公表した。保護者への通学に関するアンケートなどでは、学校の始業時間に合わせて児童生徒を送迎するため、仕事の就業時間に制約が出るなどの意見が寄せられており、こうした保護者の負担軽減が目的。学校始業までは県が委託する福祉サービス事業者のスタッフが対応にあたり、教員への負担はないとしている。
県教委は21年度に子供が特別支援学校に通う保護者に、通学に関するアンケートを実施。また22年度にも各校への聞き取り調査を行った。その結果から、学校の始業時間に合わせて児童生徒を送迎するためにフルタイムで働けないなど、保護者の就業時間に制約が出たりしていることが分かった。
こうした背景があり、県内12校の特別支援学校のうち、要望の多かった2校で23年度から始業前の預かりを始めることとした。医療的ケア児を除く児童生徒を対象として、学校の始業までは県が委託する福祉サービス事業者のスタッフが対応するため、教員への負担はない。2校のうち1校は4月から、もう1校は事業者との調整がつき次第、スタートする。
また、合わせてスクールバスも増便し、通学しやすい環境を整えていく方針。県教委の担当者は「始業前の預かりについては、他の学校にも広げるかは現状では未定だが、セーフティーネットとして保護者からの要望があれば対応していく」と話している。