埼玉大学は2025年度の入学者選抜より、教育学部の学校推薦型選抜に、埼玉県内の高校に通っていて、将来は同県の小学校や特別支援学校の教員になる意欲を持った生徒を対象とした「地域枠」を新設する。埼玉県では特に小学校教員を希望する学生が減少していることから、同大教育学部は埼玉県教委・さいたま市教委との連携を強め、地域の教育への貢献を望む学生を選抜し、その意欲を支援していくとしている。
同大の3月23日付入試情報によると、同大教育学部では、25年度入学者選抜から従来の学校推薦型選抜を「全国枠」とし、新たに「埼玉県内の高等学校を卒業見込みの者」で、「将来、埼玉県下の小学校教員・特別支援学校教員として教職に就くことを強く希望する者」を対象とした学校推薦型選抜として「地域枠」を新設する。
学校推薦型選抜で地域枠を募集するのは、小学校コースの「心理・教育実践学専修」「言語文化専修 国語分野」「社会専修」「自然科学専修 算数分野」「自然科学専修 理科分野」「芸術専修 図画工作分野」「身体文化専修 体育分野」「生活創造専修 ものづくりと情報分野」と、特別支援教育コース。地域枠を設ける募集単位であっても、従来通り全国枠の学校推薦型選抜を実施する。ただし、「生活創造専修 ものづくりと情報分野」は全国枠の募集は行わない。また、地域枠に出願する受験生は、同一募集単位について全国枠を併願受験することもできる。
小学校教員や特別支援学校教員の養成課程に地域枠を新設する狙いについて、同大教育学部の担当者は「全国的に教員希望者が減少し、特に埼玉県では小学校教員の希望者が減少している。連携協力を行っている埼玉県教委・さいたま市教委からも小学校教員の志望者増を依頼されてきた」と説明。今後について「地域枠で入学した学生だけでなく、強く教員を志望している学生に対して、埼玉県教委・さいたま市教委と連携し、さまざまなプログラムの実現可能性を考えている」と述べた。なお、現状では地域枠で入学した学生に対し、埼玉県・さいたま市の教員採用試験における優遇措置は検討していないとしている。