5月に広島で開かれるG7広島サミットを前に、G7各国とEUのユース代表で構成されるY7の代表団が4月13日、小倉将信こども政策担当相と面会し、政策提言を手渡した。政策提言では、若者向けの就労トレーニングやデジタルリテラシー教育の必要性を打ち出すとともに、気候変動やロシアによるウクライナ侵攻へのG7の対処を求めた。また、約150人の高校生が集まり、Y7サミットの公開イベントでY7の代表団に提出された「高校生G7サミット」の政策提言書も提出された。
Y7サミットは、G7の公式エンゲージメントグループの1つであるY7によって、各国代表のユースが首脳に提言を行うG7唯一の公式の国際会議として、年に一度開催されている。今年はG7サミットが日本で開催されるのを受けて、4月9~13日に東京で行われ、「経済の強靱(きょうじん)性」「平和と安全」「DX」「気候と環境」「グローバルヘルスと幸福」について議論し、政策提言を取りまとめた。
政策提言では、ロシアによるウクライナへの侵攻に関して、G7がウクライナを支持し、終結に向けた取り組みを強化することを働き掛けるとともに、広島を訪問し、核兵器の恐ろしさを学ぶ中で、G7に対して核保有国と協力して、核兵器の完全な廃絶に向けて動き出すよう求めた。
経済やDXに関しては、若者に対する就労トレーニングの支援や、デジタルリテラシー教育の重要性を強調。気候変動の国際的な議論に関しても、ユースの参画を拡大していくことを提案した。
また、Y7の政策提言書と合わせて、この日は日本の高校生を中心にまとめられた「高校生G7サミット政策提言書」も提出され、平和教育の重要性やメンタルヘルス教育の義務化、デジタル人材の育成などの政策を要請した。
提言書を受け取った小倉担当相は「若者が置かれている状況はそれぞれの国や地域でまちまちだが、どの地域においても、どの時代においても言えることは一つ。やはり、若い力が社会や国を変えていく」と述べ、ユース世代の活躍に期待を寄せた。