生活困窮世帯の4割以上が、新型コロナウイルスの感染拡大前よりも現在の方が、年間の世帯所得が減少したと答えていることが、4月18日、中高生の子どもがいる経済的に厳しい家庭に対して学校外教育費の補助を行っているチャンス・フォー・チルドレン(CFC)の利用申請者アンケートで明らかとなった。物価高騰により、子どもの学習や教育への支出をすでに減らしたと答えた家庭は54.5%、今後減らす可能性があると答えた家庭は32.2%に上るなど、物価高騰が子どもの教育に打撃を与えている実態が浮き彫りとなった。
調査は、CFCが取り組むスタディクーポンの利用者募集を申請した、中高生の子どもがいる保護者を対象にインターネットで実施。2月10日~3月10日に888人が回答した。回答者の経済状況をみると、離婚によるひとり親世帯を対象とした児童扶養手当の全額支給を受けているのが42.1%、一部支給を受けているのが24.3%、住民税非課税が18.1%、生活保護を受けているのが14.8%などだった。
その結果によると、年間世帯所得について、新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前の2019年と22年で比べたときに、22年の方が「減少した」と答えたのは42.8%、「特に変化はない」が54.7%だった。年間世帯所得が「減少した」と答えた人に、具体的にどれくらいの割合が減少したかを尋ねたところ、1~4割が61.3%、5~7割が19.7%、8割以上が10.5%を占めた。
また、物価高騰によって家計の経済状況が「とても苦しくなった」と答えたのは69.4%、「やや苦しくなった」は29.7%で、ほとんどの家庭が影響を受けていることが分かった。物価高騰によって、子どもの学習や教育について「支出を減らした」と答えたのは54.5%、「現在は変わっていないが、今後支出を減らす可能性がある」と答えたのは32.2%を占めた。具体的な内容では学習塾や参考書の購入費用だけでなく、学校外の体験活動や部活動に関する費用なども挙がった。
コロナ禍や物価高騰による生活や家計の変化で、直近1年間の子どもの学習に関して、どんな困りごとがあったかを複数回答で尋ねると、最も多かったのは「学習塾や通信教育、家庭教師等を利用できない、または利用機会が減った」(45.5%)で、次いで「学習意欲が低下した」(36.8%)、「学力が低下した」(31.6%)、「学習習慣がなくなった」(24.5%)などがみられた。不登校や学校に行きたがらないという回答も11.0%あった。