生成AIの活用・禁止場面、ガイドラインとして整理 文科省

生成AIの活用・禁止場面、ガイドラインとして整理 文科省
生成AIに関する学校現場向けのガイドラインについて説明する永岡文科相
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 「ChatGPT」など生成AIの学校現場での利活用を巡り、永岡桂子文科相は5月9日、閣議後会見で、文科省が作成を進めている学校現場向けの資料をガイドラインとして早期にまとめ、情報活用能力との関係の整理や、活用が考えられる場面・禁止すべきと考えられる場面、生成AI自体について学ぶ授業の在り方などを盛り込む考えを示した。今月16日に開かれる中教審初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会の初会合で方向性を議論し、5月下旬以降に策定作業に入る。

 今月8日には政府のAI戦略チームの第2回会合が開かれ、文科省からは、学校現場が活用する際に参照するための資料を、ガイドラインとして早期にまとめることが報告された。永岡文科相は9日の閣議後会見で「早急に有識者の方々の意見聴取を行い、政府全体のいわゆる生成AIに関する議論の状況も踏まえて、できるだけ早く取りまとめたいと考えている」と述べた。

 ガイドラインに盛り込む事項として、「生成AIについての説明、情報活用能力との関係の整理、年齢制限や著作権、個人情報の扱いというのもあるし、また活用が考えられる場面、禁止すべきと考えられる場面の提示、生成AI自体を学ぶ授業や、具体の活用法などの授業デザインのアイデア」を、現時点では想定しているとした。

 16日の中教審特別委員会では、ガイドライン策定の方向性に関する議論が行われる見通し。生成AIを巡っては、4月末に開かれた中教審の「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会」の会合でも、多様な学びに向けた可能性や懸念点について議論がなされ、委員からは「教育現場で生成AIを拒絶するのは非現実的」「勇気をもって、変化を想定した議論をしなければならない」といった意見が寄せられていた。

 また、小倉将信こども政策担当相も、9日の閣議後会見で生成AIの子供への影響を問われ、「生成AI自体が、まだ普及したばかりの技術であるし、プライバシーや個人情報について慎重な検討を要するものだと思う。そういう意味では、どのような影響があるかについては、予断を持ってお答えすることはできないと思う」と述べた。

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