子どもの誤飲によって開腹手術に至る事故が相次ぎ、危険性が高いとして、政府は5月16日、消費生活用製品安全法施行令を改正し、強力な磁石を複数組み合わせた「マグネットセット」や、水を吸収することで膨張する吸水性の玩具販売を禁じることを閣議決定した。これらについて、仮に販売されていたとしても購入しないことや、すでに購入していた場合でも乳幼児に触らせないようにするなどの管理の徹底を呼び掛けている。
マグネットセット(磁石製娯楽用品)の子どもの誤飲を巡っては、2017~22年の間に、腸壁を挟んで強力な磁石が引き合ったことにより、開腹手術で摘出しなければならなくなった事故が11件発生。水で膨らむボール(吸水性合成樹脂製玩具)でも、22年に乳幼児が誤飲して、腸内で大きく膨らみ、開腹手術で摘出した事故が4件起きている。
消費生活用製品安全法では、「消費生活用製品のうち、構造、材質、使用状況等からみて一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品」を「特定製品」として同法施行令で指定し、製造や販売を規制することができる。これらの玩具についても、事故の危険性が高く、被害も大きいことから、磁石製娯楽用品と吸水性合成樹脂製玩具を特定製品に指定して規制対象とすることを決めた。
いずれも、誤飲しても対外に自然排出される水準を求めることとしており、事故が起きたマグネットセットや水で膨らむボールは事業者による販売ができなくなり、違反すれば罰則も伴う。
改正同法施行令は6月19日から施行される。