中教審は「来年の春ごろに方向性」 永岡文科相、教員の働き方改革で

中教審は「来年の春ごろに方向性」 永岡文科相、教員の働き方改革で
衆院文科委で答弁する永岡文科相(衆議院インターネット審議中継より)
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 2022年度の教員勤務実態調査の結果を踏まえた教員の働き方改革や処遇改善について、永岡桂子文科相は5月19日、衆院文部科学委員会で「中教審に対して来週、質の高い教師の確保のための環境整備について諮問を行い、総合的に検討いただく」と述べた上で、「審議の状況に応じ、場合によっては逐次取りまとめていただくことも含めて、来年の春ごろに方向性を示すことを一つのめどとして、検討を進めたい」と、議論の取りまとめの時期を示した。勝目康議員(自民)の質問に答えた。

 永岡文科相は「学校教育がうまくいくかいかないか、成否はやはり教師にかかっているわけで、教職の魅力をしっかりと向上させて、それから優れた人材を確保していくことが重要であると考えている。中教審のスケジュールに関しては、現時点で方向性を示す時期が決まっているものではないが、今回の検討はさまざまな論点が総合的、また複合的に関わることから、一定程度は時間を要するのではないかと考えている」と述べた。

 その上で「施策を迅速かつ着実に実施していくためには、審議の状況に応じ、場合によっては逐次取りまとめていただくことも含めて、来年の春ごろに方向性を示すことを、一つのめどとして検討を進めたい」と見通しを語った。

 加えて、自民党の特命委員会が今月10日に取りまとめた政策提言「令和の教育人材確保実現プラン」については、「文科省としてもしっかりと受け止めたい。岸田文雄首相からは勤務実態調査の速報値を踏まえて、『骨太の方針』に方向性を示すことを目指す旨の答弁がなされていると承知している。私としては、教育の質の向上に向けて必要な予算を確保しつつ、働き方改革、処遇の改善、そして学校の指導・運営体制の充実を一体的に進めていきたいと考えており、これらが実現できるようしっかりと努力をしていく」と意気込んだ。

 その後、中教審による取りまとめのめどが来年春ごろであることについて、「なぜこんなに時間をかける必要があるのか」と質問した堀場幸子議員(維新)に対して、永岡文科相は「議論の中で、それぞれの多岐にわたる分野があるので、全部を包括して結論が出るのはちょっと時間がかかると申し上げた。その中で、それぞれの議論があるので、一つ一つ出来上がった議論の内容は、逐次公表していきたいと考えている」と説明した。

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