小中学生の8割が原爆を知っている 光村がアンケート

小中学生の8割が原爆を知っている 光村がアンケート
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 原爆のことを知っている小中学生は8割に上るものの、そのうち、原爆が投下された都市が広島と長崎であると答えられたのは6割程度にとどまることが5月24日、教科書を発行する光村図書出版のアンケート結果で示された。保護者に対して、子どもの身近に戦争を経験した人がいるか尋ねたところ、「いない」と答えた人は7割を超えるなど、戦後から78年が経過し、戦争体験を継承していくことの難しさも垣間見えた。

 アンケートは5月11~12日に、小学校、中学校に通う子どもがいる保護者300人にインターネットで実施。子どもに対する回答は保護者が子どもから聞き取りをして回答した。

 子どもに、原爆のことを知っているかと尋ねたところ、「知っている」と答えたのは79.0%で、学年が上がるごとに高くなり、中学生では90.9%が知っていると答えていた。

原爆について知っていると答えた小中学生で、どこに投下されたかを答えられた割合
原爆について知っていると答えた小中学生で、どこに投下されたかを答えられた割合

 さらに「知っている」と回答した子どもに「どこに投下されたか知っているか」と聞くと、64.6%が「広島と長崎の両方」と答えることができた。広島だけ答えられたのは18.6%、長崎だけは3.8%、どちらも答えられなかったのは13.0%だった。

 「知っている」と回答した子どもに、どのように原爆のことを知ったのかを複数回答で尋ねると、最も高かったのは「学校の授業や教科書で知った」で67.9%、次いで「身近な人から説明を聞いて知った」(23.6%)や「新聞・雑誌・ネットなどのニュース記事や報道番組などで知った」(21.9%)などが続いた。

 保護者に対して、戦争や原爆のことを子どもに伝えるのに適切な方法を複数回答で尋ねると、最も高かったのは「学校の授業や教科書」で71.3%、次いで「広島や長崎の資料館や跡地などの訪問」(31.7%)などだった。

 また、親戚や近所の人など、子どもの身近に戦争を経験した人がいるかでは、「いる」と答えたのは25.3%にとどまり、4人に3人は身近に戦争体験者がいないことも明らかとなった。

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