子育てに関する手続きや保育現場の業務負担軽減などに向けて議論しているこども家庭庁の「こども政策DX推進チーム」は6月7日、第4回会合を開き、先進的な自治体の事例やアンケートを踏まえ、今後の子育てに関する手続きの方向性を固めた。妊娠・出産に関する手続きをオンラインでできるようにしたり、スマートフォンから予防接種などのタイミングに合わせてプッシュ通知をしたりする。チームリーダーの小倉将信こども政策担当相は会議の最後に「保育所・認定こども園といった保育現場のICT化を一層進め、利用者の利便性向上と保育士の業務負担軽減を図っていく方策についても今後議論するようお願いしたい」と述べ、保育現場のDXについても検討していく方針を示した。
この日の会合では、オブザーバーとして子育て分野のIT企業などで構成される「こどもDX推進協会」が初めて参加。出生届などを申請するだけで、複数の手続きを1カ所の窓口でできるようにしている愛媛県西条市の取り組みが紹介された。
また、こども家庭庁が子育て当事者に行った妊娠や出産などの手続きに関するウェブアンケートも報告され、例えば母子健康手帳では、妊娠届のオンライン申請など、手続きの簡素化やオンライン相談・各種書類のデータ化を、予防接種では、書類の記入の大変さや接種スケジュールの煩雑さに対する通知・リマインドの仕組みを求める声が多く寄せられた。
こうした意見を踏まえて示された今後の取り組みの方向性では▽妊娠届や出生届では郵送やオンライン申請を推進していく▽スマートフォンから予防接種のプッシュ通知や予診票の事前入力、接種記録の閲覧ができるようにする▽乳幼児健診の問診票をスマートフォンから事前入力できるようにする――などを盛り込んだ。
会議の最後に小倉こども政策担当相は「今回方向性が示されたオンライン申請の推進、民間アプリ等の活用によるプロセスの効率化を進めるとともに、妊娠・出産等の手続き以外の子育てに関する手続きについても、優先順位を付けながら取り組んでいただきたい」と指示。「例えば病児保育については電話での予約受付が中心となっており、予約業務が煩雑になるとともに、利用者が予約を取りづらい状況があるとも聞いている。こうした病児保育を含む保育所・認定こども園といった保育現場のICT化を一層進め、利用者の利便性向上と保育士の業務負担軽減を図っていく方策についても今後議論するようお願いしたい」と、保育現場のDXも合わせて議論を進めていくよう求めた。