生成AIの回答を宿題にそのまま利用 都が教員に注意喚起

生成AIの回答を宿題にそのまま利用 都が教員に注意喚起
iStock.com/Supatman
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 「ChatGPT」などの生成AIの急速な普及を受け、東京都教育委員会は6月13日、都立高校などに向けて、宿題やリポート課題などで、児童生徒が生成AIの回答をそのまま利用してしまうことについて、注意喚起する通知を出した。文科省では夏までに学校現場での生成AIの活用に関するガイドラインを策定する予定で、都教委もこうした国の動きを踏まえ、今後さらに追加の通知を出しながら対応していく方針。

 通知では、生成AIを巡って、扱い方によっては個人情報やプライバシーの保護、情報漏えい、著作権侵害などの観点からの課題が指摘されているとし、知識や思考力が十分に身に付いていない状態で児童生徒が生成AIを活用すると、不正確な回答内容を信じてしまったり、より深く考える機会を逃してしまったりする可能性があると強調。まずは教員が生成AIについて理解し、指導していくことが大切だとした。

 その上で、生成AIは人間が書いたような文章を作成でき、読書感想文や課題リポートなどで、生成AIが出した文章と人間が書いた文章を見分けるのは困難であること、学校教育では正解を求めるだけでなく、児童生徒が自ら考える力を育成する力が重要だとし、日記や読書感想文、「情報」におけるプログラム作成などの宿題を出す際は、生成AIの回答をコピーして提出するといったことをしないこと、リポート課題を出すときは、授業中に教員が説明した内容を踏まえて書くように指示したり、引用・参考文献を明記することや、「~ということが指摘されている」などの参照表現を用いるように指導したりすることを留意点として示した。

 都教委の担当者は「今回の通知は、宿題への取り組みなど、教員の目が行き届かない場面で、意図せずに生成AIによる成果物が出されることへの注意喚起をすることが目的だ。決して教員も他人事ではない」と説明。文科省での生成AIのガイドラインの動きなどを踏まえ、追加の通知も出していくとしている。

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