保育士や教員など、こどもに関わる仕事への就職にあたり、その人に性犯罪歴がないことを証明するシステム「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」の制度創設に向けて、小倉将信こども政策担当相は6月16日の閣議後会見で、有識者会議を設置し、6月中に初会合を開くことを発表した。有識者会議の議論を踏まえ、今秋の臨時国会を含む、次の国会での法案提出を目指す。
「日本版DBS」は、2021年12月に閣議決定された「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」で、導入に向けて検討を進めるとされ、こども家庭庁でも検討チームを設置。法的な課題の論点整理や証明のための手続き・システムについて、具体化に向けた議論を行うため、新たに「こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議」の設置を決めた。
構成員は現在調整中で、憲法や労働法などの法律やこども家庭福祉、児童心理の専門家に加え、地方団体や保護者などが想定されている。有識者会議として「日本版DBS」の制度設計に関し、留意点などを明らかにする予定。
小倉担当相は閣議後会見で「日本版DBS」の実現に向けた課題について、「職業選択の自由やプライバシー権との関係を含む法的論点の整理をどうしていくかや、あるいは証明のための具体的な手続きやシステムの在り方等についてどうすべきか、これが非常に大きな論点になるのではないか」との認識を示し、「今後、関係者、有識者の意見をうかがいながら、丁寧に議論を進めていく必要があるが、可能であれば(秋の臨時国会を含む)次の国会での法案提出を目指して検討を進めていく」と述べた。