LGBTなどの性的少数者に対する理解増進法が国会で成立したことを受け、小倉将信こども政策担当相は6月20日の閣議後記者会見で、家族や周囲の無理解などによって自身の性的指向に悩む子どもがいることなどを念頭に、「性的マイノリティーの方は心を許せる人間関係が作れず、自殺のハイリスク層であるという切実な声がある」との認識を示し、子どもの自殺防止に向けた取り組みを強化していく考えを示した。
同法は「性的指向やジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別はあってはならない」と規定しており、16日の参院本会議で可決・成立した。性の多様性について国民の理解を促進するため、政府が基本計画を策定し、関係省庁による連絡会議を設置して政策を押し進めることが定められている。
小倉こども政策担当相は共生社会担当相も兼務しており、同法を所管する立場にある。同法の趣旨を踏まえた政府の取り組みについて、「基本計画を策定する中で全体の枠組みが決まってくる」と説明。2日にこども家庭庁が取りまとめた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」も踏まえ、「子どもの政策、自殺対策の観点も取り入れられるよう努力していく」と語った。
一方、永岡桂子文科相も20日の閣議後記者会見で、「学校教育においても、他の児童生徒への配慮を行いつつ、性的マイノリティーの児童生徒への配慮を行っていただけるように取り組みを進めていきたい」と語り、法の趣旨を踏まえた対応を推進する考えを示した。