宮城県の栗原市立若柳小学校で7月6日、敷地内に軽トラックが侵入し、児童らにけがを負わせた事件を受け、同小は7日、全学年で臨時休校とした。栗原市教委によれば、救急搬送された児童3人に加え、軽トラックと接触した児童がもう1人いたことが6日夜に分かり、けがをした児童は計4人となったが、病院での検査の結果いずれも命に別状はなく、すでに全員が退院しているという。同市教委は市内の全公立学校で緊急安全点検を実施し、必要に応じて車両の侵入を防ぐバリケードの設置などの対策を早期に進める。
同市教委の担当者によれば、7日までに事故当時の詳しい状況が判明。事件が起きた6日午後3時ごろは、高学年が授業の一環として行っているクラブ活動の最中で、科学クラブに所属する4年生の児童らが、通用口から校庭に向かう通路でしゃがみこんで実験を行っていた。軽トラックは児童らの後方にあたる通用口から、エンジン音がほぼ聞こえないほどのゆっくりとした速度で侵入。顧問の教員がその場に立ち会っていたが、直前まで軽トラックの接近に気付かなかったという。
事件直後、けがをした男子児童2人、女子児童1人の計3人が救急搬送されたが、同日午後6時半ごろ、軽トラックと接触した女子児童がもう1人いたことが、保護者からの連絡で判明し、その児童も病院で検査を受けた。検査の結果、4人とも命に別状はないことが分かり、すでに自宅に戻っているという。
若柳小は今回の事件を受け、6日午後8時から緊急の保護者説明会を開催し、事故の経過や学校の対応状況などを説明。7日は全学年で臨時休校とした。市教委は緊急措置として、市内の全学校(小学校11校、中学校6校、義務教育学校1校、幼稚園9園)で、車両の侵入が可能な通路がないかを点検し、必要に応じて早期にバリケードを設置するとした。今後は、防犯カメラの増設や門の設置などの検討も行うとしている。
市教委の担当者は今回、軽トラックが侵入した通用口について「業者の車両などが不定期に出入りする場所で、完全に閉鎖しておくことが難しかった」と説明。また「住民とのつながりが強く、高齢者などとの交流も多い地域であり、あえて学校施設をオープンにしている側面もあった」と語った。
宮城県警によれば、事件は7月6日午後3時ごろに発生。警察はトラックを運転していた小野寺章仁容疑者(34)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。