夏休みの体験格差をなくそう フローレンスが予約サイトと連携

夏休みの体験格差をなくそう フローレンスが予約サイトと連携
「#夏休み格差をなくそうプロジェクト」の狙いを説明する駒崎会長(右から3番目)
【協賛企画】
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 ひとり親家庭や経済的に困窮している家庭の子どもたちに夏休み中の体験活動や遊びの機会を提供しようと、認定NPO法人のフローレンスは7月12日、さまざまな遊びの予約サイトを運営するアソビューなどと連携して「#夏休み格差をなくそうプロジェクト」を始めると発表した。対象となる世帯に、アソビューの予約サイトで使用できるチケットを提供したり、さまざまな企業による体験活動の機会を設けたりすることで、「体験格差」の解消につなげる。

 プロジェクトでは、ひとり親家庭や住民税非課税の子育て家庭などを対象に、1000世帯に対して夏休み中のさまざまな体験の機会を提供する。メインパートナーであるアソビューでは、同社が運営する遊びの予約サイトで利用できる5000円分のチケットを400世帯に提供。これに加えて、プロジェクトに賛同する複数の企業が、夏休み期間中にさまざまな体験活動などを展開する。フローレンスではプロジェクトの実施にあたり、1000万円を目標に寄付も募る。

 この日、都内で開かれた記者会見で、駒崎弘樹フローレンス会長は「子どもたちにとって体験や遊びは心の栄養で、子どもたちの人生を形作っていくものだ。そこに着目してもらいたいし、世の中がそういうことを知ってくれることで、政治や政策の世界にも反映されていったらいいなと思う。例えば、夏休みは子どもたちにとってリスクであるということがもっと知られたら、児童館などの公的な施設でさまざまなプログラムを充実させていくことに予算が割かれるかもしれない。そういったある種のムーブメントをつくっていきたい」と力を込めた。

 また、記者会見には教育経済学の観点から子どもの「体験格差」の問題に警鐘を鳴らす中室牧子慶應義塾大学教授も出席。子どもの体験に対する親の時間の投資が、子どもの非認知能力や学力に大きな影響を与えていることを解説した。中室教授は「この体験投資の格差というものが、将来の子どもたちの能力の格差につながらないようにすることがとても大事だ」と強調。「核家族化や地域とのつながり(の希薄化)に加えて、コロナ禍の学校環境の変化や親の働き方の変化も『体験格差』の要因になっていると考えられる。私たちも親や地域の枠組みを超えて、子どもたちをどういうふうに支援していくかを考えていかなければいけない。そういう意味でこのプロジェクトが一つの端緒となって、体験格差の解消につながっていくのではないか」と、期待を寄せた。

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