オーストラリア留学生が弓道部を体験 都教委「東京体験スクール」

オーストラリア留学生が弓道部を体験 都教委「東京体験スクール」
真剣な面持ちで弓道部員の手本を見学するオーストラリアの留学生ら
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 国際交流の場を創出しようと東京都教育委員会は、海外の高校生を短期に受け入れる「東京体験スクール」を実施しており、7月13日には来日中のオーストラリアの留学生6人が、都立井草高校(粕谷真由美校長、生徒880人)で弓道部に体験入部した。留学生らは同校の弓道部生徒に教えてもらいながら、初めて弓を構え、矢を射ってみるなど、貴重な体験を楽しんだ。

 都教委は学校内外で生きた国際交流の場を創出し、都立学校生の国際感覚を育てるとともに、留学生が東京の多様な魅力を体験できる機会を提供するため、2017年度から夏と冬の年2回、海外の高校生を対象に「東京体験スクール」を実施している。コロナ禍で一時事業が休止していたが、昨冬から再開。今夏は、カナダとオーストラリアの2カ国の留学生17人が来日し、7月10日から14日まで都立井草高校、都立田柄高校、都立武蔵野北高校の3校で生徒と交流している。

 井草高校で交流活動に参加しているオーストラリアの留学生6人は、10日からバディを組んだ同校の生徒と共に授業に参加するなどして交流を深めてきた。13日の午後には、留学生が弓道部に体験入部。同校の弓道部の生徒に教えてもらいながら、初めての弓道にチャレンジした。

 留学生らは弓道部員の見本を見た後、弓の構え方を教わりながら的のすぐ近くから矢を射ってみたものの、なかなか的には命中しなかった。留学生らは「とても難しかった。弓道部の生徒が正確に矢を射っていることに驚いた」と感想を語っていた。

 同校では普段から英語の授業はオールイングリッシュでコミュニケーションを重視した授業に取り組んでおり、粕谷校長は「今回のバディ役にも多くの生徒が立候補するなど、留学生の受け入れをとても楽しみにしていた。バディの生徒らは、パーフェクトな英語ではないけれども、留学生と机を並べて授業を受けるなどして交流を楽しんでいる」とその様子に目を細める。

 サミュエル・ロイ・チャレンジャーさんのバディを務める1年生の渡部呂伴さんは「自分の英語力を試してみたいし、もっと英語を学べる良い機会になる」とバディに立候補した。筆記体をサミュエルさんに教わったり、漢字の読み方や意味をサミュエルさんに教えたりするなどして交流を深めており、「サミュエルにたくさん日本について教えたことで、自分自身が日本の良さを再認識できた」と強調した。

 また、サミュエルさんは「日本の学校は1クラスの人数が多い。オーストラリアではだいたい1クラス25人くらいだ。部活動が日本の高校において大切な役割があることにも驚いた」とオーストラリアとの違いを指摘。授業のみならず、能楽堂体験をしたり、合同遠足で着物を着て浅草散策を楽しんだりするなど、「日本の学校生活や文化をたくさん楽しめている」と充実の表情を見せた。

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