渋谷の街を写真に切り取ろう――。自立と共同を重視し、異年齢の子どもが一緒に学ぶ「イエナプラン」に基づく教育を行う茂来学園大日向中学校(長沼豊校長、生徒30人)はこのほど、立体感のある渋谷の街に出てスナップ写真の作品を制作する校外学習を行った。生徒は米国の写真家であるソール・ライターの作品を鑑賞。構図などを意識しながら、自分の作品を追求していった。
1~3年生の生徒はこの日、同中のある長野県佐久穂町からバスで移動し、東京都渋谷区の渋谷ヒカリエで開催中のソール・ライター展を鑑賞。その後、撮影時の注意点を全員で確認した上で、「谷をのぞむ歩道橋班」と「地底をめぐる渋谷地下班」に分かれて、渋谷の市街地を撮影。カメラやスマートフォンに街並みを収めていった。
事前に生徒らは、学校で写真家のかくたみほさんによるワークショップを体験しており、生徒はワークショップでのソール・ライターの作品鑑賞を通じて学んだ構図や光の入り方などを意識しながら、シャッターを切っていった。
一連の授業を企画した美術を担当する小口真奈実教諭は「写真は生徒も親しみやすい。作品はみんなでシェアして、お互いの作品を鑑賞する予定だが、さらにここからどう発展させていくかはまだ決めていない。記録としての写真とアートとしての写真の違いを考える機会もつくっていければ」と、今後の展開を話す。