学校改革に必要なマインドセット 先進3校の管理職が語る

学校改革に必要なマインドセット 先進3校の管理職が語る
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 学校改革の「先進校」として知られる私立学校3校の管理職が、「学校はどう変えられる?」というテーマで語るオンライン座談会(主催:Inspire High)が、7月19日に開かれた。登壇したのは札幌新陽高校の赤司展子校長、ドルトン東京学園中等部・高等部の安居長敏校長、広尾学園中学高校の金子暁副校長。3人はそれぞれ、学校改革に関連するキーワードを提示しながら、生徒数の落ち込みや新たな学校の立ち上げなど、各校が大きな変化に直面した経験を踏まえ、学校改革に求められるマインドセットを語った。

各校の管理職が提示した、学校改革に関するキーワード
各校の管理職が提示した、学校改革に関するキーワード

 まず「意見は合わないもの」というキーワードを挙げた赤司校長は「先生同士は、お互い考えていることは一緒だという前提で話をしているが、実は違うことを考えたり、違う経験を持っていたりするので、話がずれてくる。前提に戻ると『違うことを考えながら、同じ話をしていた』ということがある。違うことが大前提で『意見は合わないもの、違うもの』ということを大前提に(議論を)スタートするのが本校の定番」と語った。

 また、安居校長は「第三者を巻き込み、外から早く変化を起こす」というキーワードを挙げ、「学校を変える時に、一番障壁になったのは教員だった。教員を説得して動いてもらってから、その先に生徒、保護者がいるとなると時間がかかり過ぎる。まず保護者、生徒の共感を得て、最後に教員に分かってもらうという流れを作るのが最も早い。企業や地域の人など、学校を取り巻く大人に『あの学校がしていることは素晴らしい』などと声を上げてもらうことで、たちどころに生徒は変わり、教員も認めざるを得なくなる」と語った。

 さらに金子副校長は「流行(はや)りに乗るな!」を挙げた。「行政や教育産業が使い始めて、日本中の学校で流行する言葉があるが、われわれは使わない。みんなが使い始めた言葉の後を追っていたら、いつまでたってもその学校は、その学校としての本物になれないのではないか。過去を振り返ると日本の学校教育には、時代ごとに流行のキーワードがあり、どちらか一方に寄った後は揺り戻しがあった。それをみんなで追い掛けているだけではいけない」と話した。

 その上で3人は、学校改革を進めようとしている管理職に向けて、「同じビジョンや問題意識を持った仲間がたくさんいることが、チャレンジする上での勇気になる」(赤司校長)、「管理職が先生一人一人の本音や気持ちを雑談の中で聞いていくことが、管理職が目指す方向を、先生たちに感じ取ってもらえる一番の道」(安居校長)、「誰かに期待するのではなく、自分たちで作るしかない」(金子副校長)とエールを送った。

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