子育てのしやすさの満足度が低下 人とのつながりで高く

子育てのしやすさの満足度が低下 人とのつながりで高く
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 国民の子育てのしやすさに関する満足度が低下していることが7月24日、内閣府の行っている「満足度・生活の質に関する調査」の2023年報告書で明らかとなった。子育てのしやすさに関する満足度は、子育てを気軽にお願いできる人や、交流する友人がいるなど、人とのつながりがあると高くなることも分かった。

 同調査は、経済社会の構造を人々の満足度(ウェルビーイング)の観点から多面的に把握する目的で実施。現在の生活にどの程度満足しているかを回答者が0~10点で自己評価するなどして、国民の満足度の動向を捉えている。5回目となる今回は23年2月10日~3月5日に、性別や年代、地域を考慮した1万633人のモニターにインターネットで行った。

 報告書によると、総合的な生活満足度は平均が5.79で、22年の前回調査から横ばい傾向にあった。13の分野別に満足度をみると、「雇用環境と賃金」「自身の教育水準・教育環境」「政治・行政・裁判所への信頼性」「身の回りの安全」「子育てのしやすさ」「介護のしやすさ・されやすさ」などが低下。特に「家計と資産」「雇用環境と賃金」「子育てのしやすさ」は、性別、年齢別、地域別のいずれでみても低下していた。

 「子育てのしやすさ」に関する満足度に影響を与える要素を分析すると、子育てを気軽にお願いできる人がいたり、友人らとの交流があったりすると満足度が高いことが分かった。特に女性では、友人らとの交流の頻度が多いほど満足度が高まっていた。

子どもの就学状況と生活満足度
子どもの就学状況と生活満足度

 また、子どもの就学状況別にみると、未就学児がいる世帯と比べて、小中学生、高校生の子どもがいる世帯では生活満足度が低くなっており(=グラフ)、子どもが成長するにつれて「家計と資産」の満足度が低下する傾向にあった。報告書では、子ども1人当たりの子育て費用が子どもの成長に合わせて増加し、15~17歳でピークを迎えることが、「家計と資産」を圧迫し、生活満足度の低下につながったと分析している。

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